サムスン電子が、第1四半期(1―3月)に過去最高の営業利益を記録した。同社が公示した暫定集計によると、売上高が前年同期比21・7%増の45兆ウォン、営業利益は96・6%増の5兆8000億ウォンを記録した。四半期ベースで最高益だ。部門別実績は発表されなかったが、スマートフォン(高機能携帯電話)など無線通信部門が4兆ウォン近い営業利益を出したと推計され、同部門が全体の営業利益を押し上げた。特に発売5カ月で500万台を突破した「ギャラクシーノート」効果が大きかった。このペースでいけば、年間では売上高200兆ウォン、営業利益25兆ウォンが期待できる。
当初、証券業界ではサムスン電子の第1四半期営業利益は5兆1000億~5兆2000億ウォンと予想されていた。だが、予想を上回る営業利益を上げたのは、スマートフォンと「ギャラクシーノート」の販売が好調だったからだ。
第1四半期にサムスンのスマートフォンは4100万台以上販売され、シェアは世界一の28・2%を占めた。2位のアップルの3260万台(シェア22・4%)を大きく引き離した。特に、タブレット型携帯端末とスマートフォンの間の隙間市場を狙った、「ファブレット」と呼ばれるギャラクシーノートが営業利益の押し上げに大いに貢献した。
5・3インチの画面にペン入力することが可能で、手帳のようにも使用できるこの新製品は特に欧州で絶賛され、第1四半期に全世界で400万台を販売。この製品ひとつで1兆ウォンの利益をあげたと推定される。32ギガ製品の価格は99万9000ウォン。プレミアム製品が多く、販売価格が相対的に高い。
そのため営業利益率は30%に達するという。ギャラクシーノートの成功は、ファーストムーバー(最初の市創出者)をめざすサムスン電子の面目躍如といったところだ。
一方、通信部門に次ぐ稼ぎ手の半導体部門は、1兆1000億ウォンを超える営業利益をあげたと推定される。昨年第1四半期の1兆6400億ウォン、昨年第2四半期(4~6月)の2兆3100億ウォンに比べ大幅に減少しているが、現在のような最悪の半導体不況の中では大健闘といえそうだ。
業界関係者は「非メモリー部門の利益が予想を大きく上回った。エルピーダメモリの経営破綻による供給減少でDRAM価格が上昇すれば、半導体部門の収益性も好転するだろう」と分析した。
テレビ・家電部門は、テレビ販売が予想外に善戦したおかげで5000億ウォンの黒字を出したと見られる。収益が向上したのは、高級テレビ市場で影響力を高めたことが大きかった。
また、赤字続きのディスプレー部門も小幅ながら黒字転換した。ディスプレー事業部はサムスン電子から切り離され、4月に別企業として再出発したが、第1四半期はテレビ市場回復で2000億ウォンの黒字を記録したと推定される。