今年の経済環境は昨年以上に厳しさを増しているが、韓国を代表する企業グループの総帥は、積極果敢に投資に取り組むなど新年の決意を明らかにしている。最大手のサムスングループ・李健熙会長は、新技術、新製品、新事業に全精力を挙げると強調。現代自動車の鄭夢九会長は、今年の自動車販売目標を過去最高の700万台に設定した。崔泰源会長が横領容疑で在宅起訴されたSKグループは、汚名返上へと過去最大の投資計画を発表した。昨年業績が不振だったLGグループの具本茂会長は、「明日のための準備をできなかった」と痛烈な自己反省をした。
サムスングループの李健熙会長はソウルで行われた同グループの新年祝賀会に出席し、「世界経済の低成長が続き不確実性が拡大する中、最も重要なのは競争力だ」と指摘し、競争力は企業内部では人材と技術、企業外部では社会の信頼から生まれると述べた。
そのため今年は、投資と雇用を拡大し輸出に全力を挙げ、協力会社が世界一流の競争力を持てるよう力を尽くすと表明した。
李会長は、役職員に送ったメッセージで「これまでの枠組みをすべて壊し、新しいことだけを考えなければならない」と指摘。「サムスンの未来は新事業、新製品、新技術にかかっている」として、「失敗はサムスンマンに与えられた特権であり、挑戦に次ぐ挑戦をしなければならない」と強調した。
現代・起亜自動車グループの鄭夢九会長はグループの仕事始め式で、今年の世界販売目標を700万台にすると発表した。この目標達成のため、世界各地の工場や販売法人との有機的な協力体制を整え、市場の変化に能動的に対応するよう呼びかけた。
鄭会長は昨年、現代・起亜自動車が660万台を生産・販売し、世界5大メーカーに浮上したほか、現代製鉄も第3高炉を着工し、世界的な鉄鋼企業になる基盤を構築したことを評価。また、現代建設を買収し、自動車、鉄鋼とともに、グループの将来に向けた成長エンジンを確保したと強調した。
鄭会長は、今年の自動車産業の成長は鈍化し、競争はさらに激しくなると予想。今年、北京工場とブラジル工場が量産を開始し、世界9カ国で30の工場が稼働することを明らかにし、素材から完成車に至るまで徹底した品質管理で顧客に満足と感動を与えなければならないと強調した。
LGグループの具本茂会長は、役職員の集いで「市場に新しい製品とサービスを出せず、技術が先行した分野でも(ライバル企業の)追撃を受けた」と述べ、LGグループの危機感を表現した。財閥の総帥がこのように公の場で実績不振を認め、その理由を明らかにしたのは異例だ。
具会長は、「これまでとは明らかに変わらなければならない。十二分な顧客価値をつくるための具体的な変化がなければならない」と訴えた。
SKグループは、崔泰源会長が在宅起訴された5日、過去最大規模の投資計画を発表した。投資額は19兆1000億ウォンで昨年の2倍。採用規模も過去最高7000人で、うち30%を高卒者とする計画だ。
投資規模がこれだけ拡大したのは、ハイニックス半導体に対する投資があるためだ。また、SKが次世代の成長分野として挙げる資源開発、二次電池など次世代エネルギー事業に対する投資も拡大が見込まれる。また、崔会長自身に対するマイナスイメージを払拭する狙いもある。
ロッテグループの辛東彬会長は、ソウル市内で行われた大韓商工会議所の賀詞交換会後に記者団に対し、今年の投資規模を昨年より40%以上増やすと明らかにした。ロッテは、国内外で今年、6兆7300億ウォンを投資する計画だ。このうち国内で5兆3000億ウォンを投資する。採用規模も過去最高だった昨年より15%増やす計画だ。
辛会長はまた、グループの主力事業である化学事業について「中核事業の湖南石油化学を集中的に育成したい。新規投資先であるマレーシアの事業所拡大などを本格化する予定だ」と述べた。ハイマートの買収も具体化する可能性が高い。