韓国でインスタントラーメンは週平均1・5回食べる国民食だ。そんなインスタントラーメンが過去10年間、談合により値段が吊り上げられていた事実が摘発され、「ぼったくりラーメン」10年の幕が閉じた。また、サムスン電子とLG電子の2社により独寡占状態にある国内テレビ市場に、中小メーカーと流通業者が手を組んだ「半額テレビ」が登場し、硬直化した価格構造を揺さぶっている。多くの消費者は、「談合や独寡占で歪んだ市場の改革の始まりだ」と歓迎している。
公正取引員会は、農心、三養食品、オットゥギ、韓国ヤクルトの4社に対して、2001年から10年間に談合を繰り返し、インスタントラーメンの価格を都合6回引き上げたとして、1354億ウォンの課徴金を納付するよう命じた。
課徴金の内訳は、値上げを主導した農心(シェア70・7%)が1077億6400万ウォンで最も多く、次いで三養食品116億1400万ウォン、オットゥギ97億5900万ウォン、韓国ヤクルト62億7600万ウォンとなっている。
談合の手口は巧妙だ。シェア70%を占める農心が値上げ幅を発表し、他メーカーがそれに追随する形をとっている。例えば、08年2月20日に辛ラーメンを650ウォンから750ウォンに値上げすると発表。すると3月1日にシェア2位(12・4%)の三養ラーメン(三養食品)も値上げに踏み切り、4月1日には真ラーメン(オットゥギ)とワンラーメン(韓国ヤクルト)がそれぞれ価格を引き上げた。
公取委は、「値上げ計画、内訳、日時のみならず、値上げ後の生産日時まで協調し、談合を推し進めた」と説明した。
10年2月に三養食品が消費者の批判を受けて6%値下げしたことがあるが、それまでは4大メーカーの密約で価格が決められていた。談合により、過去10年間でラーメンの価格は56%も値上がりした。
公取委によると、今回の談合の詳細が判明したのは、三養食品が課徴金の減免措置を受けるために自主申告したためで、課徴金は全額免除されるという。
一方、テレビ市場ではサムスン電子とLG電子による事実上の2社独占体制に楔が打ち込まれた。
最近、EマートがTG三宝コンピューターとの共同企画で発売した「半額テレビ」が人気を集めている。42型のLED(発光ダイオード)テレビで、価格は76万9000ウォン。市場の反応は、120万ウォン以上で販売されているサムスン電子やLG電子のLEDテレビと全く遜色ない。
この対抗措置として、サムスン電子とLG電子は、自社製テレビを最大で14%値下した。この結果、「半額テレビ」との価格差は、一気に20万ウォン台に縮小した。これまでの価格決定は談合に近いとの指摘もあるほどだったが、今後はそうもいかなくなった。
韓国市場は、2、3社が絶対的な大手メーカーとして君臨しているケースが少なくない。テレビやラーメンに限らず、公正な競争市場がきちんと機能するような政策を打ち出し、監督を行う必要がありそうだ。