知識経済部によると、5月の輸出実績は前年同月比0・4%減の471億6000万ドルを記録した。輸入も1・2%減の447億5600万ドルを記録し、貿易収支は24億400万ドルの黒字となった。これで、3カ月連続して輸出入とも減少する「不況型黒字」が続いている。欧州発の世界不況が長期化しており、政府は輸出入目標の下向修正が避けられなくなった。
今年に入って、輸出は2月を除き前年同期を下回っている。これは09年の世界金融危機以来のことだ。
5月にプラスだった輸出品目は、自動車(3・7%)、自動車部品(11・9%)、一般機械(10・3%)などに限られ、無線通信機器(35・7%)、船舶(17・4%)、石油化学(17・1%)をはじめ多くの品目でマイナスに落ち込んだ。
知識経済部関係者は、「韓国は対外開放経済であるため、輸出が世界景気鈍化の影響を大きく受けざるを得ない」と説明したが、輸出不振の最大の原因は欧州債務危機による緊縮政策で景気が急激に悪化したためだ。実際、5月のEU(欧州連合)向け輸出は16・4%の大幅減となった。
さらに深刻なことに、韓国最大の輸出先の中国向けが10・3%も減少した。中国から欧州への輸出が急減し、韓国から中国への中間財輸出に影響が出たからだ。加えて、FTA(自由貿易協定)効果が期待された対米輸出も、4月の4・3%増から5月には16・5%の大幅減となった。
景気低迷で輸入も減少している。輸入減少は、内需不振で資本財と消費財が共に減少したためだが、原資材輸入も鈍化。世界的な景気低迷で消費者は財布の紐を締め、工場は操業を短縮していると分析された。
ただし、エネルギー部門は高い増加率を記録し、原油輸入量が月間最高の100億㌦を突破した。
貿易収支は4カ月連続の黒字を記録したが、輸出入がいずれも減少する「不況型黒字」が続いており、黒字の質が問題になっている。
不況型黒字は、景気が不況期に入ると輸出と輸入が同時に鈍化するが、輸入の減少幅が輸出の減少幅より大きくなることをいう。このような輸入減による黒字構造が続けば、国内景気に大きな負担になる。
知識経済部関係者は「輸出は年平均7~8%の当初予想を大幅に下回っており、萎縮した世界経済の動向などを考慮すれば輸出の回復には時間がかかりそうだ。年間見通しを再調整しなければならない」と語った。