知識経済部によると、6月の輸出は前年同月比1・3%増の473億5000万ドルを記録、前月までの3カ月連続マイナスから脱した。一方の輸入は5・4%減の423億9000万ドルで、4カ月連続のマイナスとなった。貿易収支は49億6000万ドルの黒字。これで上半期(1―6月)実績は、輸出が0・7%増の2753億8000万ドル、輸入が2・5%増の2646億4000万ドルで、貿易黒字は107億4000万ドルに達した。
上半期の輸出実績は、かろうじて前年比を上回ったが、EU(欧州連合)や中国などの景気低迷で増加ペースが大幅に鈍化した。知識経済部関係者は「対外条件の悪化で対先進国と新興国の両方で輸出増加ペースが前年の半分になった」と説明した。
上半期の輸出を品目別にみると、FTA(自由貿易協定)の恩恵を受けた自動車(15・7%)や自動車部品(10・2%)のほか、石油製品(11・5%)、一般機械(9・8%)が好調だった。
だが、無線通信機器(32・3%)、船舶(20・1%)は大幅に減少した。無線通信機器は海外生産の比率が前年の56・8%から79・7%に高まったことが輸出減に直結した。地域別では、対EU輸出が16・0%の大幅減、対中輸出も1・2%減少した。対米は10・7%、対ASEAN(東南アジア諸国連合)も9・6%増加。対日輸出は2・0%増となった。
一方の上半期の輸入は内需と輸出の不振を反映し、エネルギーを除く原材料、消費財、資本財がいずれも不振だった。原材料の輸入増加幅は前年の35・0%から4・0%に大幅低下。資本財の増加幅も12・7%から1・3%に下がった。消費材は3%減少した。
知識経済部は今年の貿易見通しについて、輸出は前年比3・5%増の5745億㌦、輸入は5・0%増の5510億㌦に下方修正した。年初の予想は、輸出が6・7%増の5950億㌦、輸入が8・7%増の5700億㌦だった。
知識経済部は、ソウル市内で輸出入動向を点検する会議を開き、主要輸出企業や関連協会、シンクタンクなどが出席した。趙石(チョ・ソク)・第2次官は「上半期はユーロ圏の債務危機と中国の景気低迷に対する懸念を受け、輸出が大幅に伸び悩んだ」と指摘し、主要国の景気回復が予想より遅れ、国内企業の景況感も悪化していると説明した。
自動車業界は、欧州債務危機、中国の新車登録制限、ブラジルの工業税引き上げ、世界的な競争激化などで下半期(7~12月)には輸出にブレーキがかかると懸念した。
欧州債務危機の直撃を受けた造船業界は、引き続き苦戦が余儀なくされる見通しだ。石油化学業界は緩やかな成長ペースを維持するものの、単価下落で増加率は落ち込むと予想された。鉄鋼業界は昨年と同水準の輸出額を維持する見込みだ。半導体とディスプレー業界は上半期より改善すると期待される。