ここから本文です

2012/08/03

<韓国経済>サムスン電子・現代自動車 不況下、過去最高の実績

  • サムスン電子・現代自動車 不況下、過去最高の実績①
  • サムスン電子・現代自動車 不況下、過去最高の実績②

 韓国経済の両輪となった電子と自動車のトップ企業、サムスン電子と現代自動車が絶好調だ。第2四半期(4―6月)は両社ともに過去最高の実績をあげ、世界的な不況の中で大健闘した。サムスンは世界シェア1位のスマートフォン(高機能携帯電話)を武器に過去最高の利益を稼ぎ出し、現代自動車は迅速な開発スピードと積極的なマーケティングで過去最高の売上高を記録した。

 サムスン電子の第2四半期決算は、売上高が前年同期比20・2%増の47兆5969億ウォン、営業利益は79・2%増の6兆7241億ウォンを記録。四半期ベースで営業利益が6兆ウォンを超えたのは初めてだ。これで上半期(1~6月)の売上高は22%増の92兆8700億ウォン、営業利益は88%増の12兆5700億ウォンとなった。

 第2四半期の実績好調は、スマートフォンが牽引し、携帯電話をはじめとする通信部門の営業利益が全体の62%(4兆1900億ウォン)を占めた。

 売上高でもスマートフォンは前年同期比60%増の24兆400億ウォンを記録。サムスン側はスマートフォンは下半期(7~12月)も高成長を持続すると見ている。

 米市場調査会社SAによると、サムスン電子は第2四半期に全世界でスマートフォンを5050万台販売し、シェア34・6%で世界首位を守った。

 ライバルの米アップルのスマートフォン販売台数は2600万台(シェア17・8%)で、その差はほぼ2倍に広がった。

 サムスン側は、今回の好実績について「欧州債務危機に伴う世界景気の不安が続く中、差別化した製品と技術競争力を基に最高業績を達成した」と説明した。

 下半期も世界的な不況は続くとみて、主力事業を中心に高付加価値化と差別化戦力の強化で対応していく方針だ。

 現代自動車の第2四半期決算は、売上高が前年同期比9・2%増の21兆9402億ウォンで、四半期ベースの過去最高を更新した。これまでの最高は昨年第4四半期(10~12月)の20兆5190億ウォン。営業利益は17・7%増の2兆5023億ウォンを記録。これで上半期売上高は9・9%増の42兆1051億ウォン、営業利益が21%増の4兆7849億ウォンとなった。営業利益率は自動車メーカーの中で最も高い11・4%だった。

 上半期の販売台数は、11・5%増の218万2768台。国内販売台数は4・6%減の32万7963台にとどまったが、海外では14・9%増の185万4805台を販売した。

 国内の6倍近い販売台数だ。国内生産の輸出は66万3637台、海外生産による販売は119万1168台。

 特に欧州市場での販売が好調だったが、新型i30、i40など中・小型ディーゼル車を相次いで発売したことが奏功した。産業研究院の研究員は「現代自動車が欧州市場を攻略するために投入した準中型車i30は、開発から販売まで1年半しかかからなかった。ライバルの新車開発期間が3年以上かかるのに比べ、スピードで圧勝した」と分析した。

 現代自動車系列の起亜自動車の実績も好調で、上半期の売上高は9・5%増の24兆3409億ウォン、営業利益は25・0%の2兆3397億ウォンを記録、いずれも半期ベースで過去最高となった。販売台数は、「モーニング」「プライド」「K5」など主要モデルの販売好調で、12・4%増の139万4852台を記録した。

 下半期は国内市場の不振をはじめ、世界景気の不透明感、トヨタ自動車やホンダなどとの競争で経営環境が悪化すると見込まれ、販売強化やブランド認知度向上に力を入れる方針だ。