国民の創意的アイデアを科学技術・ICT(情報通信技術)と結びつけて新しい産業と市場を生み出し、雇用創出につなげるという「創造経済実現計画」が明らかにされた。崔文基(チェ・ムンギ)・未来創造科学部長官をはじめ関係部署の次官らが出席して記者会見を開き発表した。崔長官は「模倣や応用を通じた経済成長から国民の創意性に基づく先導型成長にするための戦略だ」と説明し、この計画で65万人の雇用が創出されると予想した。新たな創業ブームの起爆剤となるのか、注目される。
今回の計画は「創造経済を通じた国民幸福と希望の新しい時代の実現」をビジョンとし、3大目標・6大戦略・24課題からなる。今年の6兆9379億ウォンをはじめ5年間に48兆3440ウォンを投入し、30の政府機関が共同で推進するという力の入れようだ。
3大戦略は①創造と革新を通じた新しい雇用市場の創出②世界とともに創造経済グローバルリーダーシップを強化③創意性が尊重され十分に発揮される社会の具現化。
これを実現するための6大戦略の第1は起業しやすい環境。個人の創意力を極大化できる「1人創造企業」を活性化するため、施設・経営・R&D(研究開発)などの支援を強化し、大学や政府系研究所の休職・兼職を拡大し起業を後押しする。また、創意的アイデアが市場性の高い大きな特許につながるよう「国家特許戦略青写真」をまとめ、年内に特許投資ファンド2000億ウォンを造成する。
第2はベンチャー・中小企業支援。販路開拓が難しい技術中心のベンチャー・中小企業に「優秀調達物品選定」制度を通じ、公共調達市場進出の機会を与える。また、民間投資家たちによるベンチャー・中小企業への大胆な投資を促す。
第3は成長動力創出。科学技術とICTを活用し既存の産業に活力をもたらすため、農業、文化、環境、食品、政府、インフラ、安全などの分野を含む「創造経済ビタミンプロジェクト」を実施する。また、新産業を創出するため関連教育を強化し、専門人材を2017年までに5000人養成する。併せて、映画、音楽、ゲーム、アニメーション・キャラクター、ミュージカルなどを育成する。
第4のグローバル創意人材養成。小・中学校の教科書を改編し融合人材養成のため教育コンテンツを開発する。数学、科学、技術、工学、芸術などを融合した体験探求教育を教科書に反映させるというものだ。
第5の科学技術・ICT革新力量強化。政府はR&D投資のうち、基礎研究の比重を今年の33%から17年に40%に引き上げ、未来挑戦型冒険研究事業を活性化させる。
第6は創造経済文化醸成。民間が創造経済の中心になるよう、政府と民間経済団体が参加するハイレベルの「創造経済官民協議会」を構成する。また、崔長官を委員長とする関係部署次官級が参加する「創造経済実務委員会」も構成する。
崔長官は「今回の計画は9988(99%の中小企業が88%の雇用を創出)の革新である中小企業の共生システムを構築することも重要な目標の一つだ」と強調した。
創業ブームに結びつくかが鍵だが、専門家の間には「課題は提示しているが、具体的な政策とはいいがたい。細部計画をみるまでは、創造経済の実体は模糊としている」との指摘もある。