サムスン、現代自動車、LG、SKなど主要大企業グループの新年行事が年明けの2日に一斉に開かれ、各グループ会長が「危機の中の挑戦」「人材育成」「グローバル一等」などの表現で今年に臨む経営姿勢を示した。特に注目すべきは、「企業の社会的責任」をいつになく強調した点だ。李健熙(イ・ゴニ)・サムスン電子会長は「経済が厳しい時ほど企業の社会的責任が重い」として、投資と雇用創出に積極的に取り組み、恵まれない人々に希望と勇気を与えなければならないと強調した。鄭夢九(チョン・モング)・現代自動車会長も「協力企業との共同成長にも先頭に立ち、国民の幸福と国家経済発展に貢献する模範的企業にならなければならない」と力説した。具本茂(グ・ボンム)・LG会長は「透明経営、社会全体を考える倫理経営」を強調。崔泰源(チェ・テウォン)・SK会長は「社会的企業を効率的に運営し、二極化など社会問題を解決する」と強調した。2月に発足する新政権の経営哲学に呼応した発言とみられている。
李健熙会長は、ソウルの新羅ホテルで開かれたサムスングループの新年祝賀会に出席。映像メッセージで1600人の社員らに檄を飛ばした。
李会長は「世界経済は今年も低成長から抜け出せないだろう。サムスンの将来も順調とは限らず、厳しい戦いが続く。今後10年内にサムスンの事業が全てなくなってしまうとの危機意識を共有して挑戦してほしい」と訴えた。
今年は新経営宣言の発表から20年となる。李会長は新しい経営宣言を発表することはなかったが、社員らに成長の道を開拓するようチャレンジ精神を強く求めた。
また、サムスンの威信が高まるほど競争は激化するとした上で、国ごとに人材を育て現地の文化を理解することの重要性を説いた。さらに地域社会発展に積極的に参加し第2、第3のサムスンを建設する「経営の現地化方針」を示した。
祝賀会後に記者団の質問に答え、「できれば投資を増やしたい。企業を経営する以上、社会的責任というのはいつもついてくる」と再確認した。
鄭夢九会長はソウルの本社で開かれた始務式で、新年の経営方針を「品質を通じたブランド革新」に置くと明らかにし、「最高の品質のため限りなく努力し、顧客満足度を高めててこそ、ブランドに対する自信感も高まる」と強調した。また、雇用創出を共同成長に格別に神経を配るように訴えた。
今年の世界販売目標は、系列の起亜自動車との合計で741万台。昨年比4%増を見込んでいる。
具本茂会長はソウルのツインタワーで400人の経営陣を前に「世界市場を揺るがし得る市場先導製品を必ず作り出さなければならない。このため、全ての力を集め徹底して実践し、必ず成果に結び付けなければならない」と強調した。具会長は特に「国籍、学歴、性別に関係なく人材があるところに行き、成果に相応する保障、競争力を備えていかなければならない」と力説した。
崔泰源会長は、出張先の中国から映像メッセージで「グループ内の企業がグローバル成長動力を発掘する努力を助ける役割と社会的企業活動に集中する」と述べ、SKグループの対内外的代表から退いたことを再確認した。新年挨拶はSKの経営トップとしてデビューした金昌根(キム・チャングン)SUPEX追求協議会議長が行い、「系列企業の独立経営を最大限保障する」と明らかにした。
許昌守(ホ・チャンス)・GSグループ会長は「未来の経営環境の変化に対応した多様なシナリオをつくり、具体的に準備していく」と強調。鄭俊陽(チョン・ジュニャン)・ポスコ会長は「すべての事業分野で極限の試練に耐えなければならない」と訴えた。辛格浩(シン・ギョクホ)・ロッテ総括会長は「海外事業の持続的な拡張と成長はアジアトップ10のグローバルグループになるため必ず成功させなければならない使命」と力説した。趙亮鎬(チョ・ヤンホ)・韓進グループ会長は「新政権の出汎でいつよりも変化の風が強い。安定的な収益基盤を構築し、体質改善を通じて質的成長を達成するのに全力を尽くす」と強調した。