企画財政部は、朴宰完(パク・チェワン)・企画財政部長官、成竜洛(ソン・ヨンラク)・監査院監査委員が出席した会議で、2012年会計年度(1月1日―12月31日)の歳入・歳出実績を確定した。それによると昨年の総歳入は282兆4000億ウォン、総歳出は274兆8000億ウォンだった。総歳入から総歳出を引いた決算上の剰余金は7兆6093億ウォンにのぼる。だが、このうちの7兆7577億ウォンが防衛事業庁の武器購入費などとして今年会計年度に繰り越されており、1484億ウォンの歳計剰余金のマイナスが発生した。歳計剰余金がマイナスになったのは初めてで、景気の先行きが不透明な中で、福祉など歳出需要が大きい今年の財政運営は厳しくなりそうだ。
昨年の歳計剰余金がマイナスになったのは、景気沈滞で税収が当初目標を下回り、景気浮揚のため財政執行を拡大したためと分析されている。
歳入のうち税収は、前年より10兆6000億ウォン増の203兆ウォンを記録、初めて200兆ウォンを突破した。だが、景気低迷の影響で当初の予算に比べ2兆8000億ウォン少なかった。
税収が目標を下回ったのは2004年以来8年ぶり。民間消費が不振で付加価値税が予算比1兆1000億ウォン、関税も輸入減で1兆8000億ウォンそれぞれ減ったのが大きかった。
税収が予算より少なくなったのに加え、特別会計の歳入の相当部分を占める農漁村特別税が計画より1兆7000億ウォン減ったことも歳計剰余金の大きなマイナス要因だ。
企画財政部関係者は「歳出・歳入予算は計画通りに執行されれば歳計剰余金はゼロになるべきだ」としながら、「景気回復のため財政執行を忠実にした結果、農漁村特別税の徴収額などが減少し、歳出予算の繰越金が増えたためだ」と説明した。
過去5年間、歳計剰余金は6兆ウォンを超えていた。李明博政権が発足した08年には16兆5000億ウォンの歳計剰余金を基盤に法人税と所得税の引き下げなど減税政策を推進できた。
それに比べ、朴槿惠新政権は、余裕資金なく財政的にマイナスから出発しなければならない。特に、今年度予算は4%成長を前提に編成されており、税収目標は216兆4000億ウォンと前年より13兆4000億ウォンも多い。だが、今年の成長率は2%台にとどまる見通しであり、計画通りの税収増は困難となっている。成長率が1ポイント下がれば、税収は2兆ウォンほど減少するからだ。
一方で、福祉需要の高まりで歳出圧力は大きく、福祉公約を実現しようとすれば27兆ウォンの追加支出が必要となる。このため、公約を実現するためには、マイナス国債の発行が避けられない。難しい財政運営を余儀なくされそうだ。
なお、政府は、2012年会計年度国家決算報告書を作成し閣議審議、大統領承認、監査院決算検査を経て5月末までに国会に提出する予定だ。
◆歳計剰余金とは 歳入から歳出(翌年への繰り越し金含む)を差し引いた残額。この剰余金は国債の元利金など政府の負債を返済するのに優先的に使用するよう法律で規定している。国会同意を得て補正予算を編成して支出することもできる。