大韓航空(KAL)が、国営チェコ航空(CSA)の買収に本格的に乗り出した。来月末に予定されている国際入札に参加するため、現地に調査団を派遣するなど入札準備も進めていたが、大韓航空関係者は最近「買収のための実務調査を終えた」と語った。入札の競争相手は、エールフランスとカタール航空と予想されており、熾烈な競争が予想されている。
大韓航空は、航空事業の一層の国際化のため、今回の買収に乗り出すことを決めた。自社単独で調査チームを構成し、現地で買収のための調査作業を進めてきた。
チェコ航空は最近、大韓航空とフランスのエールフランスとの間で売却協議を始めたと伝えられたが、最近中東のカタールがこの買収に強い関心を示しており、オイルダラーを動員して攻勢をかけてくる可能性も出てきた。また、ロシア航空大手のアエロフロートも入札に参加する可能性があるとされている。
チェコ現地ではこれまでの交流実績などから大韓航空が一歩リードしているとの評価もなされているが、楽観はできない。
今回の入札で、チェコ航空の売却対象株式は49%を買収する計画だ。チェコ現地の規定によると、現地企業の売却時、EU(欧州連合)以外の国には株式を半分以上売却できない。チェコ航空はチェコ政府の統制下にあるチェコ航空ホールディングスが最大株主(95・7%)で、年間輸送実績は約200万人。業績は悪化しており、売上高が2008年の8億7000万ユーロから10年には6億6000万㌦に減っている。
現地関係者は「プラハに本社を置くチェコ航空は各地の欧州空港に就航しており、大韓航空が買収すれば、チェコ航空の欧州航路を利用できる」と語った。チェコ航空は欧州主要都市を含む41カ69都市に就航している。
韓国の航空会社も外国航空会社を買収する時代が到来したが、今回の買収に成功すればその意味は小さくない。
最近、ソウルで開かれた航空宇宙関連セミナーで世宗研究院の研究員は「韓国の基幹産業である半導体、造船、自動車などは輸出を前提にしたため成功した。航空宇宙産業も輸出戦略事業に育て得る部分を集中的に育成すべきだ」として、国内航空産業の発展のための方法として外国企業の買収を提案している。