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2013/03/01

<韓国経済>韓国企業・海外M&Aが活発化

  • 韓国企業・海外M&Aが活発化

    スペインの水処理企業・イニマ買収契約後に握手するGS建設の許禎戴・発展環境事業本部長㊧とガルシア・リアニスOHL副会長

 今年に入り、国内の主要企業が海外M&A(買収・合併)を積極的に推進している。特に、GS建設、斗山重工業、KTなどが具体的に取り組んでおり、世界経済が回復の兆しをみせる中、ウォン高と低金利基調が海外M&Aを有利にしていることが背景にある。

 GS建設は、今年の経営計画で、海外M&Aを主要目標に掲げた。大手建設企業が海外M&Aにターゲットを絞ったのは象徴的だ。源泉技術を保有する海外企業を買収し、新成長動力に育成する戦略という。同社が昨年6月に買収したスペインの水処理業者、イニマが新たな成長事業になると期待されていることも大きい。

 資本市場研究院は、海外M&Aへの注目が増えた理由について「国内で新成長動力を見つける作業が限界に達したため」と分析した。国内経済は低成長局面に入ったが、米国、中国、欧州の経済は緩やかに回復する兆候をみせている。新成長動力を探すには、海外に目を向けざるを得ない状況にあるからだ。

 また、GS建設のように源泉技術の確保に対する熱意が高まっていることも影響している。源泉技術の確保のために、該当技術を保有する企業を買収するというのだ。

 斗山重工業とサムスンテックウィンも最近、イタリアの機械製造会社アンサルド・エネルジアの買収戦に参入した。アンサルドは同国の防衛産業大手のフィンメッカニカの子会社で、複合火力発電所に必要なガス・タービン分野の源泉技術を保有している。だが、母体グループが資金悪化に陥り、昨年からM&A市場に売り出された。

 新しい海外市場の開拓に向けてM&Aを推進する企業も増えている。KTはモロッコ最大の通信企業マロックテレコムの株式買収を推進中だ。国内で検証された商品とサービスを土台にしながら海外進出し、停滞している売上を増やす戦略だ。
 
 消費財企業が欧州のファッションブランドを買収するケースも増えており、なかでも源泉技術を持つイタリア、フランス、ドイツの企業をターゲットにしている。

 今回は特に、ウォン高が海外M&Aへの関心を高めているといえよう。ウォンは昨年5月以降、ドルに対して9%以上切り上がっている。対ユーロでも1年間で5%以上切り上がっており、それだけ買収費用は減る。

 また、国内企業の現金性資産の多さも要因だ。国内企業は、昨年9末現在で64兆ウォンを超える現金性資産を保有。20008年の世界金融危機以降に国内外の景気が不透明になり、現金保有額が増加傾向にあった。