株主総会のシーズンが到来し、先週末の15日にサムスン電子、現代自動車、LG電子など上場企業150社が一斉に株主総会を開いた。経済民主化の流れの中、多くの株主総会が例年になく静かな雰囲気で短時間で終わった。昨年は荒れ模様だったサムスン電子は好業績を背景に1時間。現代自動車、LG電子も30分以内の即決で処理した。また、サムスン電子は経営陣の役割を強化したのに比べ、現代自動車はオーナーの役割を強化した。
サムスン電子は、株主総会直後に理事会を開き、尹富根(ユン・プグン)社長(消費者家電担当)、申宗均(シン・ジョンギュン)社長(IT・モバイル担当)を代表理事に選任した。これにより、代表理事はこれまでの権五鉉(クォン・オヒョン)副会長を含め3人体制となった。今後は、尹社長ら次世代の経営陣による影響力が強まるとみられている。
サムスン電子は2010年末に事業部単位で運営していた組織を完成品と部品部門に分離した。続いて、拡大する事業規模と多様な事業分野を1人の代表理事が責任を持つのは困難と判断し、昨年末に3大部門(半導体、IT・モバイル、消費家電)に事業構造を再編した。
今回、各事業部門長が代表理事に格上げされたことで、責任経営が強化される見通しだ。代表理事になった申宗均・尹富根両社長は、サムスングループの崔志成(チェ・ジソン)・未来戦略室長(副会長)がサムスン電子のCEO(最高経営責任者)だった当時、スマートフォン(高機能携帯電話)やテレビを世界トップに押し上げた。
スマートフォンを製造するIM(IT・モバイル)部門の昨年の売上高は108兆ウォンにのぼる。これは、財界5位のロッテグループが2011年の売上高55兆ウォンのほぼ2倍だ。また、CE(消費者家電)部門も昨年48兆ウォンの売上高を記録した。最も売上高が少なかったDS(半導体など部品)部門の売上高も34兆ウォンに達した。
サムスン電子の役職員は、昨年分社化したサムスンディスプレイ(2万人)を除き、国内9万人。海外を含め24万人を超える。
サムスン電子関係者は「尹・申両社長を代表理事に格上げしたのは、各部門の経営に責任を持っている両氏にそれにふさわしい権限を付与する措置だ」と説明した。
権副会長は株主総会で「携帯電話、テレビ、メモリー半導体など主力事業の競争力強化と生活家電、プリンターなどの育成産業及び医療機器など新規事業の一流化を通じて、昨年の経営成果を上回る実績を上げるように努力する」と強調した。同社の昨年業績は、売上高が201兆ウォン、営業利益29兆ウォンでともに過去最高を記録した。
なお、サムスン電子は社会貢献と環境保護、共同成長、と公正取引などの社会的責任を果たすため、CSR委員会の設置計画を発表した。