サムスン物産は、オーストラリアから55億9000万豪ドル(約6兆5000億ウォン)規模の超大型鉱山開発インフラ事業を受注した。発注元はオーストラリアのロイヒル・ホールディングス。鉄鉱石を処理し、運搬するためのプラント・鉄道・港湾などの基盤施設工事を担当する。来月2日に着工し、2015年11月に完成予定だ。
今回受注したのは、オーストラリア西部のピルバラ鉱山を開発する「ロイヒル鉄鉱石開発プロジェクト」のインフラ工事。ロイヒル鉄鉱石鉱山開発プロジェクトは、埋蔵量24億㌧規模の鉄鉱石を開発する事業で、総投資額が100億㌦に達する世界最大規模の鉄鉱石開発事業だ。
サムスン物産は、年間5500万㌧に達する鉄鉱石処理プラントをはじめ、鉱山からポートヘッドランド港までの総3440㌔の鉄道建設、港湾での2カ所の船積み施設と保管場所の設計など港湾施設工事も担当する。
ロイヒル鉄鉱山開発プロジェクトにはポスコも12・5%出資しているため、当初はポスコ建設の受注が有力視されていたが、サムスン物産はより安い金額で入札したため受注に成功した。
鄭然柱(チョン・ヨンジュ)・サムスン物産副会長は「オーストラリア市場に対する徹底した分析とともに価格、品質、技術力などで競争力がある提案をし、受注に成功した。3年前から資源開発関連のインフラ事業を積極的に進めてきたが、今回はこの分野での最初の成果だ」と語った。
同社は、オーストラリアのクイーンズランド州北部の港湾建設事業にも参加しており、追加受注の可能性が高い。実現すれば、年間6000万㌧の石炭を処理する港湾施設を建設することになる。今回の大型受注を契機に、カナダ、南米、モンゴル、インドネシアなどでも資源開発関連事業の受注に力を入れる方針だ。
海外建設協会によると、今回の受注規模は韓国建設企業が海外で受注した額としては過去4番目。1位はUAE(アラブ首長国連邦)の原発建設(186億㌦)、2位はリビアでの大水路工事(104億㌦)、3位はイラクでのビスマヤ地区都市開発(78億㌦)。
一方、ロイヒル鉄鉱石鉱山開発プロジェクトにはポスコが12・5%の持ち分を保有しており、30年間にわたり年間700万㌧の鉄鉱石を安定的に供給されることになっている。開発された鉄鉱石は、主にアジアの製鉄メーカー向けに出荷される予定だ。
積出港のポートヘッドランドは、西オーストラリア州の港湾都市。水深の深い天然港を有し、内陸部にある鉱山から産出される鉄鉱石の積み出し港として栄えてきた。