主要企業の第1四半期(1―3月)業績が発表されている。韓国トップ企業のサムスン電子は、営業利益が前年同期比54・3%増の8兆7800億ウォンを記録した。一方、現代自動車の営業利益は10・7%減の1兆8685億ウォン、ポスコも4・7%減の7170億ウォンにとどまった。円安の影響も受け、多くの企業が減益となっていく中でサムスン電子の業績好調が際立っている。
サムスン電子の第1四半期売上高は、連結で前年同期比16・7%増の52兆7800億ウォンを記録し、3期連続で50兆ウォン台の売上高を達成した。営業利益も同様に3期連続8兆ウォン台となった。
「ギャラクシーS3」などスマートフォン(高機能携帯電話)の販売好調や半導体メモリーの価格上昇が大きかった。
情報通信・モバイル部門の売上高は、32兆8200億ウォンで、前期より2兆ウォン以上増えた。営業利益も6兆5100億ウォンに達した。売上高、営業利益ともに、前期より伸びた唯一の事業だ。つまり、スマートフォンの貢献度がそれほどまで大きかった。
サムスン電子は、景気低迷の中でも第1四半期の研究開発に過去最高の3兆3300億ウォンをつぎ込んだ。だが、設備投資は3兆9000億ウォンにとどまった。すでに、大規模な施設投資が一段落している上、適当な投資先を探すのが難しいからだ。四半期ごとの施設投資額が4兆ウォンを下回ったのは、2010年以降今回が初めてだ。
米調査会社ストラテジー・アナリティクス(SA)によると、サムスン電子の第1四半期スマートフォン世界販売台数は前期比640万台増の6940万台となり、過去最高を更新した。シェアは33・1%。ライバルの米アップルの販売台数は前期の4780万台から3740万台に減少。シェアは17・9%に低下した。1030万台のLG電子は4・9%のシェアを占め、初めて3位に浮上。同社の第1四半期の売上高は、前年同期比6・8%増の14兆1006億ウォンを記録した。
現代自動車の第1四半期業績は、ライバル日本車の躍進、休日勤務の減少などによる国内工場での生産減などの影響を受け、営業利益が前年同期比10・7%減の1兆8685億ウォンにとどまった。売上高は販売の拡大と連結子会社の増加で6・0%増の21兆3671億ウォンを計上した。
全世界での販売台数は9・2%増の117万1804台。国内販売は消費心理の冷え込みで0・7%減少したが、海外市場では現地工場の生産増などで10・9%増えた。
現代自動車関係者は、「国内需要が低迷を続けるなか、従業員の休日勤務拒否で国内工場の生産量までが減少し、固定費(人件費や経費)の割合が拡大した」と説明。ただし、中国やブラジルなど主要国での販売好調を追い風に韓国での生産・販売を回復し、ウォン・ドル相場が安定を取り戻せば、業績の改善も見込めると見ている。
起亜自動車の、第1四半期営業利益は35・1%大幅減の7042億ウォンだった。売上原価や販売管理費の増加が利益を押し下げた。為替や小型車などの販売比率拡大が影響し、6・0%減の11兆848億ウォン。
全世界での販売台数は、新車「K3」「K7」をはじめ「K5」「スポーテージR」など主力車種の販売好調とブランドイメージの向上を追い風に1・6%増の70万2195台となった。
自動車部品企業の現代モービスにも影響が及び、売上高(8兆1098億ウォン)は前年同期比10・5%増を記録したが、営業利益は11・7%減の6345億ウォンにとどまった。
米調査会社JDパワー・アンド・アソシエイツによると、世界の第1四半期の自動車需要は前年同期比3・8%増の2068万台だった。このうち現代自動車のシェアは5・3%で、起亜自動車は3・2%。グループ全体では8・5%となり前年同期の8・3%よりやや上昇した。海外販売の好調がシェアを押し上げた。
ポスコは、売上高が前年同期比10・6%減の14兆5820億ウォン、営業利益も4・7%減の7170億ウォンに落ち込んだ。
世界的な鉄鋼需要の減少と販売価格の下落を受け、連結営業利益は2四半期連続で1兆ウォンを下回った。
ポスコは今年の連結売上高目標を年初に発表した66兆ウォンから64兆ウォンに下方修正した。