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2017/09/01

<韓国経済>李在鎔副会長懲役5年判決、サムスンブランドに打撃

  • 李在鎔副会長懲役5年判決、サムスンブランドに打撃

 朴槿惠・前大統領への贈賄罪などに問われた李在鎔(イ・ジェヨン)・サムスン電子副会長に懲役5年の実刑が言い渡され、サムスングループに衝撃が広がっている。特に、経営トップ不在により、未来事業のための投資や大型M&A(合併・買収)への影響が懸念されているが、なによりもサムスンブランドが被った打撃が大きい。「政経癒着に対する厳しい判決」に財界もショックを隠しきれない状態だ。李被告側は「法理判断と事実認定に誤りがある」として控訴し、裁判は長期化する見通しであり、今後のサムスンの舵取りが注目される。

 サムスン電子の権五鉉(クォン・オヒョン)副会長は28日、社員宛にメッセージを送り、「非常な覚悟で危機を克服するために経営陣が先頭に立つ。皆が一丸となって力と知恵を集めてほしい」と訴えた。

 李副会長は起訴から半年間続いた収監状態が今後も継続される。サムスンのコントロールタワーの役割をした前未来戦略室室長の崔志成(チェ・ジソン)被告、同次長の張忠基(チャン・チュンギ)被告も懲役4年の実刑で収監された。危機状況を陣頭指揮する首脳部は、事実上不在となる。このため、サムスン関係者は「獄中経営と集団経営が同時に稼働するほかない状況だ。重要決定は李副会長が獄中で決裁し、各系列社は理事会を中心に専門経営者が責任を負う形になるだろう」と語った。

 ソウル中央地裁は25日の判決公判で「李健熙(イ・ゴニ)会長から李被告への経営権継承を準備していたサムスンの役員らが、韓国の経済政策について最終的な権限を持つ大統領の支援を期待し、巨額の賄賂を渡した」と指摘。「本事件の本質は政治権力と資本権力が密接に癒着したことにある」と断定。李被告が問われた①賄賂の提供②横領③財産の海外不法送金④犯罪隠蔽⑤国会での偽証の5つの罪の全てを有罪とし、懲役5年(求刑12年)を言い渡した。


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