韓国銀行が定例の金融通貨委員会を開き、政策金利を年1・50%から1・75%に引き上げた。1年ぶりの利上げだ。問題は景気後退の中、利上げに踏み切らざるを得なかったことだ。韓銀は、低金利下で家計負債が増加し、不動産への資金の偏りが深化している現在の金融不均衡を放置できないと判断したと説明している。米国との金利差が拡大し、資本が流出する懸念も背景にある。ただし、今回の利上げで景気後退が強まる恐れがあり、家計や自営業者の金利負担加重も避けられない。
韓国銀行は政策金利を2016年6月に1・25%に引き下げ後、長らく据え置いた末に昨年11月、1・50%に引き上げた。6年5カ月ぶりの利上げにより、金融政策の方向性が緩和から引き締めへと転換した。だが、それから1年間、利上げに動かなかったのは、景気下振れの懸念に米中の貿易摩擦も重なり、先行き不透明感が強まったことが背景にあった。
しかし、10月の金融通貨委員会で利上げの意見が出され、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁も利上げを示唆した。低金利の副作用が積み上がっていたからだ。特に、韓国経済の大きなリスクとされる家計負債は雪だるま式に増え、9月末現在1514兆4000億㌆に達した。前年同期比6・7%増で、所得増加率4・5%を上回る。家計負債管理のためにも利上げが必要だった。特に自営業者は第2金融圏から高利で600兆㌆近い借金を抱えており、金利負担が重くなる。
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