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2018/04/20

<韓国経済>SKハイニックス、アイデア良ければ失敗体験を褒賞

  • SKハイニックス、アイデア良ければ失敗体験を褒賞

    失敗事例公募展でSKハイニックス役員㊧から優秀賞を授与された研究員㊨

 SKハイニックスは、R&D(研究開発)過程での失敗を今後の開発に生かす「公募展」を開催し、「失敗経験」を褒章した。応募者の1人、未来技術研究院のある研究員は、自らが最近開発した10㌨級DRAM半導体を新規プロセスに適用する過程で、一部の検証を経ないミスをした結果、不良品が多数出てきた。しかし、アイデアを評価し、「失敗はより大きな成功を約束する」として優秀賞に選び、賞金100万㌆と賞牌を与えた。また、奨励賞2人に50万㌆が授与された。

 半導体産業では、新規製品を開発する過程で工程別に最適な温度、時間、ガス投入量などを導き出さなければならない。製品によって、400~900の工程を経る必要があるだけに、数多くの試行錯誤が生じがちだ。製品完成後に研究員たちは「今知っていることを、以前から知っていたならば不良率が下がり、工程開発を繰り上げることができたのに…」と考えることが度々ある。

 朴星昱(パク・ソンウク)・SKハイニックス副会長は、このような現状を改革し、R&D(研究開発)部門の研究員の士気を高めるため、「逆転の発想」を実践した。失敗事例を公募し、これを評価して逆に賞を与える「今知っていることをその時も知っていたら良かったカル」という公募展の開催だ。タイトルの最後の「カル」という言葉は「文化(Culture)」を意味する。

 公募展は京畿道利川(キョンギド・イチョン)市の本社で開かれた。このタイトルが示唆するように、研究開発の過程で事前に知っていたならば役に立った「失敗事例」を評価して、将来の革新的な製品開発のために活用する狙いがある。アイデアは斬新だったが失敗した事例、当時は分からなかったが後に失敗の原因が判明した事例など、個々人が体験した失敗経験を共有の財産とする考えだ。


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