サムスンSDIとLG化学は、ESS(エネルギー貯蔵システム)用バッテリー事業に注力している。ESSは太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電される電気を貯蔵し、必要な時に取り出して使う装置で、バッテリーが核心部品だ。両社は、スマートフォン用小型バッテリーの成長が鈍化し、電気自動車用バッテリーが中国政府の規制で厳しい状況にあり、新たな収益源としてESS用バッテリー事業拡大に乗り出した。
サムスンSDIは最近、2015年に中国西安に建設した電気自動車用バッテリー工場をESS用バッテリー製造に活用している。LG化学も中国南京のバッテリー工場でESS用バッテリー生産量を増やしている。
バッテリー業界関係者は「ESS用バッテリーは、既存の電気自動車用バッテリー工場ですぐに量産できるので、事業転換が容易だ。当面、電気自動車用で実績を出すのが厳しい状況なのでESS市場を攻略して収益性を高めている」と説明した。
サムスンSDIは今年3月、米ハワイ州のカウアイ島太陽光ESSプロジェクトに1万3000個のESS用バッテリーを納品した。蓄電容量10㍋㍗時。カウアイ島の電力の11%を供給できる量だ。
2月には世界最大のESS電力プロジェクトである米カリフォルニア州電力網事業に参加し、240㍋㍗時規模のESS用バッテリーを納品した。これは2016年の米国電力用ESS市場(480㍋㍗時)の半分に相当し、2万戸が使える規模だ。このような事業参加で、北米電力市場を攻略している。
中国でも現地の太陽光企業であるサングロウと合弁会社を設立し、ESS用バッテリーを製造し、中国内だけでなく日本やカナダなどに輸出している。
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