統計庁が発表した2月の雇用動向によると、全体の就業者数は2634万人で、昨年同期比26万3000人増えた。これは、昨年1月(33万4000人)以来、13カ月ぶりの大幅な増加だ。だが、増えた雇用の多くが税金を投入した高齢者向けの公共的雇用であり、経済活動の中軸ともいうべき30~40代の雇用は24万3000人も減少した。
雇用統計を詳細にみると、60歳以上の就業者は1年前より39万7000人増え、関連統計が作成された1982年以降で最大幅の増加だった。これは、政府が高齢者の雇用事業予算を大幅に増やし、通常3月から始まる事業時期を2月に繰り上げた結果だ。
政府は今年の高齢者雇用事業参加人員を昨年の51万人より10万人増の61万人とし、関連予算も8219億㌆に大幅に増やした。昨年の6349億㌆より1870億㌆も多い。ごみ拾いや高齢者の世話などを1日2~3時間行い、1カ月に約30万㌆受け取るといった軽作業が多い。
その一方で、30代の就業者は11万5000人減で、40代の就業者も12万8000人減少した。30代は2009年以来、40代は1991年以来の減少幅だ。30代は世界金融危機直後の2009年2月(22万2000人減)以来の最大の減少だ。40代は1991年2月(20万2000人減)以降28年ぶりの大幅減となった。これらの年代が主に就業する製造業や卸・小売業などのマイナスが持続しているためだ。
製造業の就業者は前年同月比15万1000人減った。昨年4月から11カ月連続の減少だ。最低賃金の影響が大きい卸・小売業は6万人減となった。飲食・宿泊業は14カ月ぶりに増加勢に反転したが、1000人増にとどまった。
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