世界80カ国の陶芸が一堂に会する「世界陶磁器エキスポ」の概要がこのほど、組織委員会から発表された。
▼来年8月から10月にかけて韓国・京畿道の3市で開かれる史上最大規模の陶芸の祭典だ。世界のあらゆる陶磁作品や人と陶磁とのかかわりなどが展示されるほか、シンポジウムや関連イベントも計画されており、陶磁愛好家には楽しみだ。世界の陶芸家に交流の場を提供するということでも意義深い。
▼ところで、韓半島では古代から高度な技術で陶器が作られていた。高麗青磁や李朝白磁などは世界のコレクション市場で高い評価を受けている。しかし、日本の植民地政策によって、韓国の陶芸は一時断絶するという不幸な時代もあった。そうした時代を乗り越えて韓国陶芸は再び隆盛している。
▼日本とのかかわりも深い。約400年前、韓国の陶芸技術は日本に伝わり、日本の陶芸産業発展のきっかけになった。韓半島から近い九州、山口の陶芸はほとんどが韓半島の影響を受けているほどだ。薩摩、有田、高取、高田(こうだ)、萩など祖先が韓半島出身という陶芸家も多く、それを誇りとして作陶を続けている陶芸家もいる。
▼韓日だけではなく、陶芸の交流は世界規模で行われていた。中国―韓半島―日本、アジア―欧州など技術や製品の流れは活発だった。そうした交流の歴史も展示されるだろう。
▼入場者や効果などの問題からエキスポ見直し論も出ているが、「世界陶磁エキスポ」が成功を収め、韓日をはじめ世界の陶磁産業の活性化につながることを期待したい。(M)