師走が近づくと人々は来年のことを考えるものだ。
来年はワールドカップ開催などいろいろなことが予定されているが、壮大な試みとしては、歴史的な単一通貨ユーロの流通がある。1月1日から独仏伊など欧州12カ国の3億人が、自国通貨を捨て、共通の通貨のもとで生きる歴史的な実験だ。
使い慣れたマルクやフラン、リラなどを捨てることには抵抗があった。自国紙幣に刷られたクララ・シューマン(独)やサンテグジュペリ(仏)らへの愛着も強かった。だが、欧州統合への決意はそれらに優るほど強かった。
それにしても、民族や言語、歴史の異なる人々が自由に国境を越え、両替の必要なく買い物ができる、というのは素晴らしいことだ。車の値段がローマよりパリの方が安いとなれば、ローマでは値下げの圧力となり、競争が促されるという効果もある。
韓日が、このような共通通貨をもつのはいつのことだろうか。私たちはまだ、関税障壁をなくす自由貿易協定の議論を始めたばかりだ。韓国からはまだビザなしでは日本に行くこともできない。まだまだ国境の壁が厚い。
欧州は石炭鉄鋼共同体の設立に始まる50年の統合の歴史があるが、私たちも5000年に及ぶ交流の歴史がある。(V)