中国と日本にそれぞれ生産工場と技術研究所を置いているIT関連会社の「渤海」。
北朝鮮生まれでソウルで電子工学を専攻し、米MBAを取得した同社のK社長は日本のつくば研究団地にある研究所を出て急いで空港に向かった。上海・浦東地区の本社で開かれる重役会議を主宰するためだ。
本社を中国に移して3年。ソウルの顧客センターに事務室を置き、3カ月に1回は「渤海」の拠点都市を巡回し、企業説明会と重役会議を開いている。今回の会議のテーマは北朝鮮地域に置くことにした物流センターに対する最終検討だ。
これは韓国の経済専門紙が最新号で、韓・中・日3カ国が一つの経済圏になったある日を仮想的にスケッチしたもので、北朝鮮もこの経済圏に編入されているとの想定だ。もう遠い将来のことではないように思える。
経済統合をすれば、この3カ国で年間1000億㌦を超える貿易増大効果があると試算されている。また、投資拡大、競争促進で生じる効果はそれ以上に大きいという分析もあるだけに、統合は魅力的だ。
古来より私たちアジア3カ国は交流を重ねてきた。英知で障害を克服、新しい大きな歴史を築きたいものだ(V)