演出家の浅利慶太氏が先週韓国を訪れた。来年公演予定のミュージカル「コンタクト」の出演者を探すためだ。
浅利氏は劇団四季の代表を務める劇団四季には韓国人の劇団員が6人ほどおり、その活躍ぶりに注目し、今回新たな人材を求めて韓国でオーディションを実施した。「コンタクト」は音楽とダンスのみで歌もせりふもない。踊りだけで人と人の出会い、コンタクト(接触)を描く。
言葉を使わず、音楽と振り付けだけで人間の喜怒哀楽を表現する物語はスリリングで、メインキャストを演じる韓日中の俳優がどんな舞台を見せてくれるのか、来年3月の公演が待ち遠しい。
いま、日本で韓国ミュージカル「地下鉄1号線」が巡回公演中だが、爆発的なエネルギーと躍動感で日本の観客のド肝を抜き、連日「満員御礼」、大ヒット中だ。
浅利氏も語っているが、韓国の魅力は「パワー」で、日本にない感情表現の豊かさがある。劇作家の唐十郎氏は、「地下鉄1号線」を評して、「日本のミュージカルは、美しさや調和を大切にするが、ここには日本が失ったリアルでエキサイティングな挑戦がある」と激賞する。
韓日中の文化が混成し全く新しい芸術が誕生することを期待したい。(H)