韓国出身の世界的指揮者・鄭明勲が、日本での演奏活動に力を入れている。
新・東京フィルハーモニー交響楽団のスペシャル・アーティスティック・アドバイザーに就任したのは今年5月。それから3回指揮台に立った。聴衆の反応も上々で、アドバイザー就任は見事成功した。
鄭氏は、桐朋学園大学の学生オーケストラの指揮、アジアの若手音楽家との饗宴「セブン・スターズ・ガラ・コンサート」などにも取り組んでいる。学生たちからは、「人間の感性と曲を結び付けることを学んだ」「自分たちの可能性を信じて引っ張ってくれる」などの感想が寄せられている。
「アジアのクラシック界全体のレベルを上げたい。自分が幸運にも得たものは、若者に引き継いでいくのが使命だと思っている」と常々語る鄭氏。さらに「4―6歳が人格形成に影響する大切な時期。この年代から生の音楽に接する機会を作ってあげたい」とも話している。
サッカーの2002年W杯韓日共催大会に合わせた記念公演も実現しそうだ。すでに、W杯期間中のスケジュールをすべて空けているとのことである。
「世界共通言語の音楽で平和に貢献したい」と話す鄭氏が、どんな記念公演をするのか楽しみだ。(L)