「悔い改めればだれでも人生をやり直せることを証明した映画です」。
「親分はイエス様」の公開初日の舞台あいさつで出演者のひとり、ガッツ石松が述べた言葉だ。映画で極道たちが悔い改めた姿を行動で示すため十字架行進するが、そのきっかけを作ったのは夫を信じる妻たちの変わらないあつい愛情だった。
実話の映画化であり、十字架行進した「ミッションバラバ」という8人のメンバーのうち、3人が韓国人妻であったことから韓日共同製作となった。韓国のテレビ番組で紹介されるや、大変な反響を呼びインターネットで100万件の感動が寄せられた話題作だ。
そのワンシーンをみよう。組から追われ行方をくらましたヤクザの夫が10カ月ぶりに帰ってきた。妻は黙ってドアを開け喜んで迎えた。ちょうど韓国から来ていた母は韓国語で「ご飯は食べたかい」とだけ言った。
それから間もなくして夫は十字架行進に出かけた。丸太でできた2㍍以上もある十字架を担いだ出演者全員が、心が洗われるような気持ちになったというのだから不思議だ。
悩みや壁に直面している人には勇気を与えてくれる映画だ。韓日間でテーマには事欠かない。感動を与える映画をつくってほしい。(U)