「楽しみにしていましたが、今回は派遣できません」。
歴史教科書問題のため、韓日間の文化、スポーツ交流が各地で中止になっており、確認されただけで100件を超す。その多くが小・中・高生たちの交流で、彼らの青少年の交流は未来志向的な韓日関係に不可欠なだけに大変残念なことだ。
だが、事態改善の動きはまだ見られない。韓昇洙・外交通商部長官は、日本が歴史教科書の再修正を引き続き拒めば、全面的交流中断の可能性があることを示唆した。このままでは、韓日が共催する来年のワールドカップへの影響も避けられない。事実、天皇の訪韓実現にも熱心だった鄭夢準・韓国組織委員会委員長は、次のように憂慮している。
「W杯はW杯、歴史は歴史ではないか」という声もあるが、我々はそうした選択の余地はない。なぜなら歴史問題は我々祖先の問題であり、先祖を軽蔑し、後裔を誤った道に導く人たちとスポーツ大会をともにするというのは負担に思うからだ。
日本の教科書政策が韓国に対して取り返しがつかないほど挑発していることを物語るものだ。日本を代表する知識人の1人、評論家の加藤周一氏は、24日付朝日新聞コラム「夕陽妄語」で「東北アジアで日本がよい関係をもつ隣国は一つもない。それどころか中でも重要な中国および韓国との関係は明らかに悪化している」と指摘、そのような孤立を日本が自ら望んだとすればまさに「自虐外交」であると厳しく批判している。
「近くて近い関係」は韓日両国民が長年望んでいたことだ。真剣な熟考の時だろう。(B)