在日社会の2大組織の一つ、在日本朝鮮人総聯合会(総連)に変化の兆しが見られる。
先日、総連大会が開かれたが、本紙にもこの大会の取材依頼があった。これまでの慣例上、韓国系のメディアに大会の取材依頼することは極めて異例のことであり、「開かれた総連」を印象づけようとしているのかな思った。ともかく一つの変化であることに違いない。
大会では、半世紀近くにわたりトップの座にあった韓徳銖議長の後任に徐萬述・第一副議長が順当通り選出された。彼は昨年11月の朝鮮奨学会で在日韓国民団中央本部(民団)の金宰淑団長と壇上で握手したが、今後どんな対民団政策を講じるのだろうか。これも総連の変化を占うバロメーターの一つだ。
徐議長は、総連組織の世代交代に言及、積極的に若返りを図る考えを明らかにしている。時代に適応させる人事が行われるだろうか。これまた注目点だ。すでに総連の機関紙「朝鮮新報」は数年前に大幅な紙面刷新を行い、在日の生活に密着した紙面づくりをめざしている。
総連最大の財産は全国に約100ある民族学校であり、最近ボクシング、サッカー、文学、ITや翻訳・通訳の世界などで活躍している朝鮮学校出身者が少なくない。彼らはもう組織の枠にとらわれず外に羽ばたいている。
徐議長が自ら進んで金民団団長とのトップ会談を提案し、一緒になって在日社会の発展に取り組めばそれこそ大きな変化だろう。(Z)