韓国で「市民記者」が作り出すインターネット新聞が若者を中心に人気を呼んでいる。
昨年2月に常駐スタッフ4人で創刊した「オー・マイ・ニュース」(http://www.ohmynews.com/)で、市民記者は1万人を超え、読者(アクセス数)も30万人近い。国民の2人に1人が高速インターネットに接続するインターネット先進国の韓国ならではの現象といえる。
市民記者はごく普通の人たちだ。例えば、毎夜、中・高生に国語を教えている予備校の先生。直接、学生たちと接触できるだけに、話が具体的だ。いろいろな問題で学生たちの意見を聞き、それを記録する。その中から記事化し、インターネット送信する。
障害者問題に取り組んでいる市民記者もいる。これまでは新聞もあまり取り上げてくれず、世間にほとんど知らせることができなかった。しかし、「オー・マイ・ニュース」の登場で、自己主張を発信できる場ができた。
市民記者といえば、素人臭いニュースといった先入観があるが、決してそうではなく、スクープが少なくない。例えば、若手の政治家が多くの市民が犠牲になった光州事件の現場を弔問した直後、女性のいる飲み屋で大騒ぎしたことをすっぱ抜き、議員らはカメラの前で泣いて謝罪するはめになった。
このインターネット新聞は注目すべき実験だが、小・中学生がゲーム感覚でインターネットを日常的に使っている韓国であるだけに、次はどんな風が吹くのか目が離せない。(Z)