韓日が共同開催するサッカー・2002年ワールドカップ(W杯)の大会名表記をめぐって韓日間で問題が起こっている。
▼日本側が国内で使う日本語表記を「日本・韓国」としていることから、韓国側が異議を唱えている。正式名称で「KOREA/JAPAN」と決まっているのだから「韓国・日本」にすべきだ、というのがその理由だ。大会まで1年4カ月を切ったいまごろになってこういう問題が吹き出したのは残念だ。
▼日本側の主張は、「国内の自国語での表記はそれぞれの国の判断に任せる」と、96年のFIFA(国際サッカー連盟)と韓日組織委との協議で了解されているというのが根拠だ。ただし、これは明文化されているものではないという。
▼韓国側はあくまで正式名称の順番にすべきといい、日本側は、了解済み事項だから韓国側と話し合うべき性質のものではないし、韓国側から協議の申し込みもないと平行線だ。明らかに両国に認識のずれがあるようだ。
▼このままだとしこりが残る。両国の組織委はFIFAも交えて再度協議し、いい解決方法を探ってはどうか。信頼関係を築くためにもこうしたときこそ意思の疎通が重要だ。今後、また問題が起きないとも限らない。そうしたときのためにも協調の雰囲気を築いておくべきだろう。
▼W杯史上初の共催だけに、成功例として後世に残る大会にするのはもちろんだが、両国がきずなをより深めたと評価される大会にしたいからだ。(T)