同映画のプロデューサーで韓国文化財庁文化財委員の崔宣一氏から「鄭詔文の白い壺」の上映会ができないだろうか、とメールが届いてからひと月余りの準備期間だったが、上映会当日、映像シアターは満席となり入場を断るほどだった。映画の主人公・鄭詔文氏は、日本に散在する1700点もの祖国の文化財を蒐集し、1988年に念願だった高麗美術館を京都に創設され、翌年70歳の若さで亡くなられた。日本の植民地下、朝鮮から日本に持ち込まれた高麗青磁や李朝白磁などをはじめ、民画や螺鈿の箪笥などの美術工芸品を一点一点買い戻し、長年の夢を実現された方である。
上映に先立ち、崔宣一氏から鄭詔文像を通して当時の時代性や苦悩を表現したかったことなどを話された。
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