春一番が吹き日差しも幾分春めいてきた頃だった。山梨に住む弟の連れ合いから分厚い封書が届いた。開けてみると「月刊日本」3月号の抜き刷り「『楽園の夢破れて』北朝鮮帰国事業を最初に告発した関貴星」が手紙と同封されていた。筆者は評論家三浦小太郎氏。私は父の名が記された文面に吸い込まれるように夢中になって読み始めた。過去に父の著書『楽園の夢破れて』に触れた文は枚挙にいとまがないが、これほど父の著書出版への苦悩や決断までの心境を熟読し、心を尽くした文がいまだかつてあったかと感動と感謝の気持ちを抑えることができなかった。読み終わってすぐさま、弟の連れ合いに電話を入れた。長いやりとりの中で、私は驚くような事実を知った。
つづきは本紙へ