詩人・茨木のり子の著作『ハングルへの旅』に、韓国の詩人・尹東柱について書かれた文章があり、高校「国語」の教科書に取り上げられている。茨木のり子の文章を読みつつ、尹東柱の詩も味わうという、なかなか奥の深い教材だ。
今年は尹東柱生誕百年にあたり、様々な記念の催しも行われたようだが、私は現在勤めるコリア国際学園で、高校生とともにこの教材を学ぶことができた。
詩集『空と風と星と詩』の「序詩」はあまりにも有名な詩である。「死ぬ日まで空を仰ぎ/一点の恥辱(はじ)なきことを」(伊吹郷訳)で始まるその詩は、暗い時代にありながら若人の澄明な精神をうたいあげて、今も多くの人に愛されている。
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