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2019/05/17

<随筆>◇若葉のころになると思い出す◇ 呉 文子さん

 赤ん坊の掌のように愛らしい公孫樹の若葉がキラキラと陽光に映えて眩しいばかり。この季節になるといつもあの日のことが思い出される。たった一時間ほどの短い昼休みを利用して、息子とランチをしただけなのだが、その日のことを思い出すと、自然に顔がほころび幸せな気分になる。初任給をもらった彼は、私たちに何らかの謝意を示したかったのだろう。彼の気持ちが味付けされただけ、その日のランチは、今でも格別に忘れ難い味となっているのかもしれない。彼のはにかんだような表情までも鮮明に浮かんでくる。


つづきは本紙へ