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2021/05/14

<随筆>◇母という名の影武者◇金 珉廷さん

 先日の「母の日」、子どもたちから手紙をもらった。ありがとうと感謝の言葉が並ぶ。韓国は5月8日が「父母の日」だった。すでに両親が亡くなっている私は、母がいたら父がいたら、電話でもしたいなと思い、「母の日」と「父母の日」を過ごした。

 「名もなき家事」という言葉がNHKで報道されて2年近くなるが、名もなき家事(?)、名もなき母親活動の最高峰としてPTA活動が挙げられるだろう。会員の9割は女性保護者である。私の子どもたちが通う小学校のPTAでは、地域の祭りでお店を手伝い、盆踊りにも積極的に参加している。ほかにラジオ体操を行ったり、地域から支援金をいただき、子どもたちのためのイベントを行っている。だが、昨年はコロナウイルス拡散防止の観点から祭りもイベントもすべて中止となった。

 来日してほぼ30年。日本社会で育ち、働き、支えられた感謝の気持ちを地域に貢献できればと思い、昨年度PTA会長を引き受けた。これまでに紙で配布していたPTAからのお知らせをメール配信へと変更し、ホームページを立ち上げ、授業参観が見送りとなっている学校を見学し、授業リポートを作成し掲載した。何かを変えるには、人々の認識を変え、段階を踏まなければならない。


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