韓国語で書かれた本を初めて日本語に訳した。韓国の教師が書いたフェミニズムの本である。パク・ミンギュやキム・ヨンスの小説を持って日本の出版社を回っていた頃、その素晴らしさに気づいてくれる編集者はなく、私の実力不足もあっただろうが、悔しい思いをした。だが、時代が変わり、韓国文学が日本でも注目を浴びている。その勢いが私にも一つ恩恵を与えてくれた。それが『私は男でフェミニストです』(チェ・スンボム著、世界思想社)の翻訳の依頼だった。
娘を育てることも難しいが、息子を育てることも容易ではない。女の子なら小学校にスカートでもズボンでも着ていけるが、男の子がスカートを着ていくことは、あってはならないことだ。息子はスカートもフリルのついた上着も大好きだが、保育園の先生にいじめの対象になるかもしれないと注意を受けた。いじめる方が悪いと反論したものの、そういう事態を避けるため、息子の好みとは正反対の洋服に買い替えた。
つづきは本紙へ