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2022/05/20

<随筆>◇在日の友人、O君との思い出◇板井一訓さん

 リタイア前の50代後半から急激に朝鮮半島への関心が高まった私である。あなたは韓国人かと言われるほど……。そんな時、私の父親の先祖をたどれば豊後の海人族、母親のそれは松浦の倭人に行き着く。いずれも朝鮮半島とのつながりの強い地域で、私の血の中には半島由来のそれが色濃く残っているはず、そのせいか韓国の歌や踊りに触れると身体が自然に動いてしまう、と答えるようにしている。今は多くの在日韓国人やニューカマーの友人に囲まれている私だが50代までは韓国の知り合いは全くと言っていいほどなかった。

 唯一忘れられないのが中学時代、京都の福知山で短い交遊を持った近くの朝鮮人部落に住んでた同学年の友達O君のこと。


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