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2024/10/18

<随筆>◇エゴマの葉◇康 玲子さん

 子どもの頃、近くに住む祖母がよく遊びに来ては韓国料理を作ってくれた。太刀魚の煮つけなど、喜んで食べていたのは父で、私たち姉妹は母の作るハンバーグやカレーの方が好きだった。

 それでも私たちにもお気に入りがいくつかあって、その筆頭がエゴマの葉の醤油漬けだった。当時、祖母は「ごまの葉っぱ」と言うので私たちもそう呼んでいたが、とにかくそれでご飯を包んで食べると、おいしくていくらでも食べられる。祖母が漬けて持ってきてくれてもすぐに無くなるので、父は「もう無くなったんか」といつもあきれていた。


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