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2000/10/27

<総合>韓国車が日本に本格上陸

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 韓国車がいよいよ日本に本格上陸する。韓国最大の自動車メーカー、ヒュンダイモーター(現代自動車)が25日、東京で記者会見、来年1月から日本で販売すると発表した。市場調査など長年の準備を重ね、満を持しての日本市場参入だ。

 ヒュンダイはすでに米国など197カ国に年間160万台を輸出するグローバル企業であり、日本は最後に残された198カ国目の巨大市場となる。投入する車種はヒュンダイが総力を傾けて開発したプレミアコンパクトカーのサンタフェ、ミニバンのトライジェ、小型セダンのエラントラの3車種。初年度5000台、2005年3万台の販売を目標にしている。

 日本での販売のため、今年1月設立されたヒュンダイモータージャパンがこの間、準備を重ねてきた。この日の記者会見で金鎮秀・同ジャパン社長は、日本市場参入の理由として次の3つをあげた。

 まず、世界5大自動車メーカーをめざすためには日本市場は絶対欠かせない。第2に品質への要求が高く目が肥えた日本での評価と成功により真のグローバル企業となり得る。代に日本文化・経済交流が追い風となっており、絶好の進出機会だ。

 すでに全国120の拠点でのサービス網構築にめどをつけており、来年には首都圏・大都市圏での40拠点で展開、全国に拡大していく計画だ。部品管理をヤナセに、輸送による車両のダメージを点検するPDI(納車前点検)は日産陸送に委託すること決めるなど準備は最終段階に来ている。ショールームも東京のオフィス街(港区虎ノ門1-21-17)に27日オープンする。510平方㍍の広さがあり、サンタフェなどを展示、消費者の目を引きそうだ。年内に大阪にも同様のショールームを開設する。

 問題は日本市場で成功するかどうかだ。世界で最も品質にうるさく、外国車はベンツなど一部高級車を除いて成功していない。このため、よほどのマーケティング戦略がないと成功はおぼつかないとの指摘もある。

 ヒュンダイもこのような現実は十分承知しており、スマート&リライアブル(信頼感)を打ち出し、この新しい価値観の普及を図ろうとしている。これについて、金社長は、「飾らずおしゃれな選択が自動車市場でも高まっている。このスマートさに加え、高品質、快適さを保証する絶対の信頼感」と強調する。ヒュンダイモーター日本技術研究所の崔昌東所長も、最高の安全性は米国でのテストでも実証済みであり、燃費効率、環境性でもヒョンデが誇る最新技術で生産したと力説した。

 日本の専門家の間からは、「米国で現代車は爆発的に売れている。品質において日本とくれべても遜色はないようだ。問題は価格だろう。日本車に比べて2割安ければ文句なしに売れるのだが」という指摘があった。ヒョンデ側は価格については12月上旬から中旬に決定すると説明、あくまで品質に見合ったリーズナブルな価格設定を考えていると明らかにした。

 また、価格以外の注目点として、保証期間の長さがある。一般保証は3年ないし6万㌔で、時にエ ンジンなど重要部品については5年ないし10万㌔の長期間保証だ。自動車アナリストからも「これは売りになる。これだけの長期間保証は日本でも聞いたことがない」という驚きの声が聞かれた。

 韓国車はこれまで双龍、大宇などが日本で販売してきたが、今回のよううな大々的な販売は初めてであり、ベンツやBMWのように東京などの都心を走るのを日常的に目にすることになるだろうか。

 今回のデモンストレーションのため来日したヒョンデモーターの金頼明副社長は、「ヒョンデは2010年までに世界5位のグローバル自動車メーカーをめざしているが、その鍵は日本が握っている」と日本市場での成功に並々ならぬ決意を示したが、日本の消費者がどんな反応を示すかが注目される。特に、今回の3車種のターゲットとされる20代後半から30代の層への浸透が勝敗を決めそうだ。