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2000/09/15

<総合>エネルギー非常事態体制に突入

 韓国政府は15日、原油価格高騰に対応するため、①原油備蓄量を現在の29日分(約5800万バレル)から60日分に倍増する②車の運行を制限、現在公務員に適用している10部制を5部制に強化するーーなど総合対策を樹立する。

 OPEC(石油輸出機構)原油増産合意にもかかわらず、国際原油価格は1バレル34-35㌦台の高値を維持しており、原油が1㌦あがれば10億㌦の貿易赤字が発生し、経済成長率を0・1%引き下げる影響があるだけに、緊急対策を講じることにしたもの。エネルギー節約が徹底を期されなければ韓国経済に深刻な影響が避けられないだけに、今回の対策では相当に強力な内容になりそうだ。

エネルギー対策は8日に関係長官会議を開いて論議したばかりだが、この会議では10日のOPEC閣僚会議での増産決定に期待をかけていた。だが、10月1日から日量80万バレル増産合意にとどまり、原油価格の大幅下落は困難となった。このため、秋夕(旧盆)明けの15日、国務総理主宰で関係長官会議が参加する「エネルギー節約対策会議」急きょ開くことにした。

 今回の界の対策の最大の目玉は原油備蓄の増大。このため、1兆ウオン以上を追加支援する。また、海外油田開発を促進するための資金も拡大する方針だ。だが、国内油価を安定させるための弾力税率調整や備蓄油放出については、国際原油価格の動向を見ながら検討する。

  車両運行制限も拡大する。現在、公務員だけを対象に10部制運行を実施している。これを全国民に拡大することと、公務員にはさらに5部制に強化することを産業資源部どは検討している。ただし、10部制を5部制に変えるためには車両運行指針を変えなければならないため、建設交通部との協議を経て最終的に決定することになる。
経済計画の修正も避けられなくなった。当初計画では、原油価格の年平均を25ドルに設定したが、26ドルに引き上げ調整し、経済政策に反映する。産業資源部関係者は、「国際原油価格の動きに照らし、いまはエネルギー節約と備蓄拡充などの対策に重点を置くが、高油価が続けば、非常措置を講じざるを得ないだろう」と指摘した。

 韓国は原油のほぼ全量を海外に依存しており、73年の第一次オイルショック時に大打撃を受け、79年の第2次オイルショックではマイナス成長に陥らせる大きな要因になった。これを 教訓に海外油田開発にも取り組んできたが、エネルギー小国であることに変わりがなく、当面節約、代替エネルギー対策に重点をおいた政策をとるしかないのが現状だ。