第2回南北閣僚級会談が29日から31日まで平壌で開かれ、①南北離散家族相互訪問を今年中に2回追加実施する②投資保証・二重課税防止など南北経済協力と関連した制度的装置をつくるなどに合意した。
双方の団長は31日、◆項目の合意内容を盛った共同発表文を発表、南北鉄道連結などに合意した1ヵ月前の第1回ソウル会談に続いてさらに1歩前進したことを強く印象づけた。第3回会談も9月末から10月初めにソウルで開くことに合意しており、南北閣僚級会談は常設機構のように定期化しそうだ。
会談は今回も友好的な雰囲気で行われ、すっかり顔なじみになった韓国側首席代表の朴在圭・統一部長官、北朝鮮側首席代表の全今鎮・内閣責任参事ら双方代表の討議も突っ込んだものとなった。
今回の会談のテーマは、軍事ホットラインの設置、経済協力の実質化、離散家族再会事業の継続、南北鉄道復元の具体化など。朴首席代表は、基調演説で特に、「偶発的な武力衝突を防ぐためにも軍事直通電話の開設が必要だ。緊張緩和と信頼構築のための南北軍事当局者会談を開こう」と呼びかけた。南北頂上会談では共同宣言に軍事問題が盛られていず、補完する意味もあった。これに対する北朝鮮側の積極的な反応はなく、今回の会談では合意に至らなかった。
だが、経済協力では前進をみた。すでに韓国では対北朝鮮進出ブームが起こっているが、リスク(危険)を恐れて、二の足を踏む企業も多い。このため、投資保証協定と二重課税防止協定を締結して、韓国企業が進出しやすい環境をつくろうということで南北は一致した。実務者協議で具体化していくことになる。
経済協力とともに北朝鮮側が積極的だったのは、南北離散家族再会事業で、8月15からの第1回再会事業に続き毎月1回の割で訪問団を相互交換する案も出されたが、結局今年はあと2回実施することになった。従来、北朝鮮側は離散家族再会について、韓国側の度重なる要求にもかかわらず応じてこず、15年前に一度実現しただけだった。北側の大きな姿勢変化といえる。
韓国側はまた、南北交流に向けた分野別の委員会の設置を求めた。合意には至らなかったが北側も真剣に協議に応じており、朴首席代表も「その必要性については一致した」と述べ、次回には進展があることを示唆した。
南北交通網の整備と関連、京義線(ソウル|新義州)連結事業を進めるため9月中旬に実務者協議を持つことで合意した。韓国側は38度線に近い韓国のモン山―と北朝鮮の開城を結ぶ南北道路の建設を提案した。これも次回に持ち越された。韓国軍の捕虜問題とら北者問題は北朝鮮側が否定的立場をとった。
韓国側一行は31日、金正日総書記との面談を終えアシアナ航空便で帰国した。