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2001/04/13

<総合>韓国アウトソーシング市場100兆ウォンに

 韓国のアウトソーシング(外部委託)市場が、IMF危機以降の経営環境の激変を受け急速に拡大している。これは、不況打開のため、各企業がぜい肉を落とし核心事業に集中する経営戦略をとり、合理化・効率化の一環として外部委託を増やしているからだ。市場規模は今年100兆ウオンを突破する見通しであり、活発化するアウトソーシングビジネスへの新規参入組も増えている。

 最近創立した韓国アウトソーシング企業協会によると、アウトソーシング専門企業は18分野で1万社を超える。IMF危機前に比べ2倍以上増えており、今年はさらに増加しそうだ。分野も警備や施設管理だけでなく、人材管理から生産管理、営業販促、福利厚生、さらには研究開発など核心分野にまで波及している。

 特に、サムスンや斗山など財閥企業が分社化などで本格的にアウトソーシングに取り組んでいるのが注目される。サムスン関係者は、「米国系投資家は企業価値を判断する時、アウトソーシング取り入れ程度を重要な指標にしている」と指摘、「株価管理の次元からもアウトソーシングを加速化する方針だ」と明らかにした。

 このような大企業の取り組みは数年前から始まっており、アウトソーシング市場規模は96年の20兆ウオンから5倍に近くに増えている。政府は、このアウトソーシング分野をホワイトカラーの失業者や就職難の大卒者ら高学歴者を大量に吸収できる有望なニュービジネスと見て、産業資源部主管でこの分野の博覧会を開くなど積極的に乗り出した。

 最近の最も注目分野はIT(情報技術)関連支援業種で、企業の電算システム統合(SI)及び応用ソフトウエア支援に関する需要増大を反映している。また、企業がほしい資格要件にあった人材を提供する人材採用サービスも急浮上している。

 インターネットを活用して人材募集広告から願書受付、書類審査、適性検査、合格者発表まで人材募集全般をアウトソーシングしており、評判を呼んでいる。さらに、給与や労務管理の代行もニュービジネスとして登場している。

 産業資源部は、外国系企業や中小企業を中心に新規採用の10%をアウトソーシングで行っていると明らかにしている。韓国アウトソーシング企業協会では、
「いまやすべての分野を会社で処理しなければならないという考えを捨てて、シナジー(相乗)効果を極大化できる優秀な外部パートナーを探すことに関心を寄せる必要がある」と訴えている。