韓国の全国経済人連合会と日本の経済団体連合会はこのほど、ソウルで定例の第18回韓日財界会議を開き、東アジア経済協力圏構想の前段階として韓日自由貿易協定(FTA)締結へ向けて積極的に努力することで合意した。これを実践するため、両団体が参加する常設機構の設置を進めることも決めた。韓日FTA問題はこれまでの論議段階から具体化へ向けて動き始めたようだ。
金オッチュン・全経連会長は今会議の基調演説で、「長い景気沈滞にある日本と韓国が経済協力を拡大し、相互に需要を創出する方式で景気活性化に乗り出さなければならない」と強調、「FTAは長期的に中国を含む東アジア経済協力体に拡大すべきだろう」と強調した。今井敬・経団連会長も、「中国のWTO(世界貿易機関)加盟とニューラウンド(新多角的貿易交渉)の開始で韓日産業協力が一層重要になった」として、「韓日FTAは両国経済協力の制度的基盤になるだろう」と期待した。
双方の財界トップが参加した会議でFTA締結を突っ込んで話し合ったのはこれが初めて。特に、日本側の積極姿勢が目立った。また、現実的には経済格差の問題もあるが、韓日FTAに中国の参加が必要だとする考え方が大勢を占めたのは時代の流れだろう。
和田龍幸・経団連事務総長は、「日本ではいま、他の国と手を取り合わなければ遅れるとの危機感が広まっている。両政府が積極的に対応すべきだ」と指摘、「ひとまず関税や許認可など企業で解決できない制度の壁で合意すべきだ。また労働・認証・ビザ・標準化問題もFTAに含めるべきだろう」と踏み込んで発言した。これも日本財界の意向を反映したものとして注目された。
韓日FTA問題は昨春に韓日の研究機関で共同研究結果が発表され、その後、経済界でも論議が進行。昨秋の韓日首脳会談では積極的推進へゴーサインが出された。