金大中大統領は25日国務会議を主宰、今年度本予算比12・3%(12兆3800億ウオン)増の112兆5800億ウオンとする来年度予算案を議決した。第1次補正予算を含めると今年度比6・9%(7兆3000億ウオン)増となる。28日に国会に提出する。来年度予算案は、世界経済の悪化を踏まえ社会間接資本(SOC)と住宅建設拡大など景気刺激効果が大きい部門、生命工学や極小技術、情報技術、環境技術などの次世代技術のR&D(研究開発)に集中投資している点が大きな特徴だ。
予算増加率は、通貨危機克服のため財政支出が急増した99年の12・6%増に匹敵する水準で、かなりの積極財政だ。しかも、米テロ事件が起こる前に骨格を決まった予算案であり、テロ事件の影響が大きくなれば国会での予算審議過程でさらに拡大される可能性がある。すでに与党側では拡大修正を検討中だ。
予算案の一般会計は106兆5000億ウォンで、国税収入だけでは足りず2兆1000億ウォンの赤字国債を発行する。
歳入をみると、国税収入額を初めて100兆ウオン突破の104兆1801億ウオンと展望、地方税を合わせると130兆4000億ウオンになる。これで租税負担率は21・9%になり、国民1人当たり平均納税額は271万ウオンに達する見込みだ。
過去5年間の予算は赤字編成を余儀なくされ、政府は2003年に均衡予算を実現すると約束しており、99年には10兆4000億ウオンに比べ赤字国債発行をかなり抑えた。だが、専門家の多くは、現在の景気状況をみると財政機能をさらに強化することが避けられず、均衡予算は1、2年ずれ込むとみている。
歳出面では、住宅投資とSOC投資が民資まで含めると今年比13・3%増の17兆5000億ウオンに達する。政府分野だけで15兆8000億ウオンで、歳出予算の14%と大きなウエートを占める。だが、景気浮揚には不十分だとの声があがっており、経済5団体も落ち込んだ投資、消費を活性化させるための対策を要求している。SOCでは特に、ソウル外郭循環高速道路、新空港鉄道、釜山新港など大型民資事業も本格化するのが注目される。
社会福祉部門では、生産的福祉事業に力点をおいて今年比18・6%増の9兆6613億ウオンを配定している。次世代技術のR&D投資に15・8%増の4兆9429億ウオンを投入するのも目立つ。その他の主な歳出項目は、▽教育予算22兆3250億ウオン▽公務員人件費20兆8237億ウオン▽国防費16兆3640億ウオン▽農漁村支援9兆9181億ウオン▽公的資金利子及び国債利子9兆7265億ウオンだ。
田ユンチョル・企画予算処長官は、「来年にも経済が困難な見通しであり、財政の機能を総動員し、中小企業やベンチャー企業に対する支援も増やした」と説明している。