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2001/09/07

<総合>韓国 液晶で世界シェア1位

 韓国が液晶シェアで、日本を抑えて世界トップに躍り出た。LGフィリップスLCD社が、国際調査機関のディスプレーサーチのデータを引用して発表した今年第2四半期(4―6月)の中・大型(10・4インチ以上)TFT―LCD(超薄膜液晶表示装置)世界ランクによると、韓国のシェアは41・5%にアップ、日本の39・5%を抜き、初めて世界1につけた。3位は台湾の18・9%で猛追してる。

 TFT―LCDは、第2の半導体と呼ばれる最先端ディスプレー装置であり、情報通信時代を迎えて市場規模が急速に拡大してきた。今回の調査は携帯電話などに使う小型用を除いた中・大型部門での結果だが、半導体に次いで液晶でも韓国が世界市場をリードしていることを強く印象づけた。

 すでにノートブック型パソコンやモニターで使う液晶で韓国製が急速にシェアを伸ばしていた。昨年第4四半期(10―12月)で過去最高の38・6%の世界シェアを記録したが、今年に入って最高記録を更新、第2四半期はついにシェア40%を突破した。台数にして435万台で、日本の413万台を上回った。

 メーカー別にみると、サムスン電子がシェア20・1%でトップ、2位がLGフィリップLCDの18・8%で両社だけで世界シェアの3分の1以上を占める。サムスンはノートブックで強く、LGはモニターで強く、それぞれの部門で世界1だ。日本は日立が3位で最も高く、次いでシャープ、東芝の順だ。一方、躍進著しい台湾はAUオプトロニクスが4位につけている。

 TFT―LCD市場が形成されて以来、日本が圧倒的なシェアを誇っていた。昨年第3四半期(7―9月)まででも世界シェアの半分を超す51・6%を占め、他の追随を許さなかったが、その後シェアを落とし、今年に入ってからは特に急激に低下し始めた。
この日本のシェア低下について、LGフィリップスLCD関係者は、「価格競争力に日本は敗れた結果だ。すでに大型製品は減産に入っており、小型製品にラインを転換しているので、韓国とのシェアの差は今後さらに開くのではないか」と分析し、「日本は韓国製を牽制するため台湾製を引き入れたが、これは逆効果となり、台湾製が日本市場を席巻している」と明らかにした。台湾の世界シェアも急速に高まっており、昨年第3四半期の12・2%からっ今年第2四半期には18・9%と一挙に6・7%も高まっている。現在、台湾は設備拡充に取り組んでおり、ハイニックス半導体の液晶部門を台湾に売却する話も出ている。今後、中・大型市場では韓国と台湾のシェア争奪戦となりそうだ。

 一方、韓国の液晶業界では、ヒューレットパッカードとコンパックが合併発表し、IBMを抜き世界1のパソコンメーカーが誕生することに対して世界的パソコン不況脱出の青信号と受け止めている。過剰設備調整や極端な値引き競争緩和を期待してのことで、液晶需要が増えるとみている。