韓国産業最大の弱点である部品・素材産業の育成に向けての動きが本格化している。政府は4日、李漢東国務総理主宰で部品・素材産業戦略報告大会を開き、部品・素材産業をIT(情報技術)、BT(生命工学)と並ぶ21世紀主力成長産業に育成するため2010年まで2兆ウオンを投じて集中育成する計画を明らかにした。すでに民間レベルでも、部品・素材産業育成のため日本の産業界・学界との間で協議体を構成、協力策を探っている。
張在植・産業資源部長官はこの日の報告大会で、部品・素材発展基本計画を発表、2010年まで世界一流の部品・素材専門メーカー150社を集中育成し、毎年50以上の次世代核心部品・素材技術の開発に取り組むと明らかにした。
この目標達成のため、①部品・素材分野のM&A及び分社化促進のための税制支援強化②部品標準化及び共用化促進③この分野の専門ベンチャーの毎年1000社以上創業支援などの支援策を講じる。
支援資金2兆ウオンは民間と共同でねん出、基金化して次世代技術開発支援に集中投資する計画だ。併せた国産化された部品・素材が商用化されるように下半期(7―12月)から製品の信頼性を保証する事業も展開する。これまで国産化されても死蔵されるケースが少なくなかった。
産業資源部の分析によると、韓国の部品・素材産業の総合競争力は先進国の85%水準で、特に設計技術など核心技術は65%水準にとどまっている。
例えば、自動車部品をみると、99年の部品メーカーの全売上高は168億㌦で、これは米国のデルファイ社1社の292億㌦にも及ばない。
自動車など韓国を代表する輸出商品のほとんどで核心部品の輸入依存度が50%を超えており、輸出が急増している携帯電話、パソコンも部品依存度も50%台だ。事実、携帯電話の部品輸入額は年間21億㌦に達している。
部品・素材の輸入の多くは日本に依存しており、この結果、対日赤字は一向に減らない。今年も対日赤字は6月20日現在ですでに41億8000万㌦に達している。
過去に機械を含めて部品・素材産業育成5カ年計画が推進されたが、尻切れトンボに終わった。今回は10年計画で進めようというものだが、世界一流専門企業150社を集中育成し、毎年1000社以上の専門ベンチャー企業を創業するための支援策を講じているのが特徴だ。
産業資源部関係者は、「依然と部品。素材産業の輸入依存度が高く、国家競争力と貿易黒字基調を阻害している。インテルとデルファイの事例でみるように未来の産業競争力は完成品より部品・素材に左右されるだけに汎国家レベルでこの分野の産業を育成する」と強調した。