韓国経済の今後を占う上で、現代建設、大宇自動車、ハイニックス半導体(旧現代電子)、双竜洋灰、現代投信の5大問題企業の経営再建が成功するかどうかが重要な鍵を握っている。政府はすでに金融支援を決めているが海外売却交渉は必ずしも順調でない。来月には再建に進むのか、あるいは市場から退出することになるの分岐点になりそうで、最後の再建努力が傾けられている。その中で、現代建設は経営陣の大幅」入れ替えが決まっており、大宇自動車は久々の営業黒字をあげ、延び延びになっていたGMへの早期売却に大きく前進した。
これら問題5社が韓国経済に及ぼす影響は甚大だ。もし構造調整に失敗すれば、協力企業を含め最大で100万人の失業と関連1万2000社の連鎖倒産が予想される。
失業問題だけでない。より大きな問題は金融市場の不安だ。これら5社がかかえている負債は実に38兆ウオンに達する。ある試算によれば、ハイニックス半導体が再建に失敗すれば少なくとも3つの市中銀行がBIS基準の自己資本8%を守れない可能性が高い。特に現代投信の市場退出は投信業界を中心とした金融不安に直結する。
現代建設とハイニックス半導体はこの間、慢性的な流動性危機に陥っていたが、自力ではもう再建不能となったため、政府はやむを得ず金融支援に踏み切った。その経済全体に及ぼす影響を恐れたからだ。現代建設には2兆9000億ウオンの出資転換に加え、さらに1兆5000億ウオンを新規支援するという破格的なものだ。ハイニックス半導体に対しても5兆ウオン規模の金融支援が予定されている。まず財務構造上の不安を取り除き、再建に踏み出せるようにするというものだ。
双竜洋灰は、メインバンクが積極的に介入して1兆4000億ウオンを出資転換し、日本側大株主の太平洋セメントも3000億ウオンを出資することで、いったん財務構造は改善された。だが、同社の再建のためには、子会社の双竜情報通信の売却に成功することが欠かせないが、売却交渉はうまくいっていない。現代投信の場合も売却が成功するかどうかにかかっている。
現代建設を除く4社はいずれも外資誘致、つまり海外売却を危機突破口としている。従って、売却に失敗すれば市場からの退出危機が再燃する。大宇自の場合でみれば、GMが近く最終決断をするとの報道に一喜一憂しているのはこのためだ。その意味で、大宇自がこの間のリストラなどの効果もあって、さる4月に2年10カ月ぶりに営業利益67億ウオンを記録したのは大きい。