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2001/04/27

<総合>韓国IT先進国へ真っしぐら

 韓国がIT(情報通信)先進国に突き進んでいる。すでに2軒に1軒の割でパソコンを保有、インターネットを利用している。特に大容量のデータを高速通信できるブロードバンド(広域帯)通信の普及は3月末現在で500万人を突破、世界1だ。これに伴い、ソフト開発が相次ぎ、ITは韓国の成長産業として急成長している。携帯電話の普及率も77・2%と高く、学生やビジネスマンの必需品だ。教育現場でもIT化は急進展、全国すべての中・高校1万校に100万台のパソコン設置を完了し、金大中大統領も、「知識情報強国として跳躍するための土台ができた」と祝賀メッセージを各校にeメールで送る熱の入れようだ。 

 ブロードバンド利用500万人突破

 統計庁が24日発表した「2000年社会統計調査」によると、韓国のIT化は驚くスピードで進展している。1600万全世帯のうち、昨年基準で46・2%がパソコンを保有しており、97年と比べ60%の増加だ。パソコンを扱える人口も97年の39・9%から51・6%に達した。

 パソコン利用目的のトップはやはりインターネットで、1日平均1時間半に達する。また、OECD(経済協力開発機構)報告書によると、動画なども高速伝達できるブロードバンド利用者は100人当たり10人で、加盟30カ国中、トップだった。2位のカナダは100人中4人、3位米国は同3人、以下オーストリア、オランダ、ベルギーの順だが、韓国が2位以下を大きく引き離している。最新データでは、韓国のブロードバンド利用者が500万人を突破、この差はさらに広がっている。

 携帯電話の普及も急速だ。昨年現在で77・2%に達し、1家で3台以上保有する家庭も11・4%にのぼる。年代別にみると、20代が91・2%と最も高いが、30代90%、40代88%、50代80・7%、10代79・4%、60歳以上34・5%で、高齢者を除き、ほぼ全世代にわたって高水準で普及していることが分かる。

 韓国はもうすっかり、パソコン、インターネット、携帯電話に取り囲まれているIT社会になっている。しかも、今後さらにこの傾向に拍車がかかりそうだ。教育現場で98年から進められた学校ネット化が完了、中・高各校に平均100台が設置され、全教師が1台保有し、パソコン教育が今後ますます日常化していくことになる。

 このようなITの普及が経済成長にどんな影響を及ぼすのだろうか。経済発展の新たなダイナニズムを巻き起こすのかが最大の注目点だろう。