現代自動車とダイムラークライスラーが、6月1日に商用車の合弁法人を設立する見通しだ。現在、ドイツで現代自動車の交渉団が大詰めの交渉を行っているが、商用車部門の金東振社長は17日、「最終合意段階に入っており、来週末の26日ごろにMOU(了解覚書)を締結する予定だ」と明らかにした。ダイムラー側も同日、「現代自動車との商用車提携交渉が建設的に進展している」と認め、「現代自に対する資本参加はダイムラーのアジア戦略の一環だ」と述べ、両社の提携解消説を否定した。
現代自動車は昨年6月のダイムラークライスラーとの提携発表以来、資本提携、商用車合弁法人設立、ワールドカー共同生産、共同マーケティング、部品の共同調達、経営参加など多分野にわたり具体的な交渉を行ってきた。
今回の商用車合弁法人設立はその大きな成果になりそうだ。合弁法人が設立されれば、現代自の全州工場が活用されることになる。現在、全州商用車工場の資産価値評価による価格算定を行っているが、評価額は1兆ウオンであり、ダイムラー側は合弁法人に20―30%の出資比率を希望しているといわれ、2000億―3000億ウオンの出資が見込まれている。
また、両社の資本提携では、ダイムラー側が現代自に当初予定の10%の出資比率を15%に引き上げる見通しであり、現代自もダイムラーへの出資を検討している。
共同マーケティングにについても、すでに現代自がダイムラーの車両を直接輸入し国内販売する計画を明らかにしている。ダイムラーが取締役派遣を検討するなど経営参加でも進展が期待されている。
だが、戦略小型車を共同開発するワールドカー構想は、今年初めの交渉で不調に終わり、現代自は独自開発することになった。ダイムラー側が提携先の三菱自動車とすでにZカー構想を進めており、これと重複するという理由からだ。
そして、最近では現代自とダイムラーの不仲説が出回っている。米国の自動車専門専門誌「オートモティブ・ニューズ」が16付で両社が提携を解消する検討に入ったと報じ、その不仲説を増幅させた。
同報道によると、ダイムラーが三菱自への出資比率を34%から37・3%に拡大することを決めており、現代自との提携は意味がないというものだ。もちろん現代自はこれを否定しており、ダイムラー側もシュランプ会長が「現代自との提携は死活的な意味を持つ」と述べている。今回の商用車合弁法人の設立本決まりなどからみても、提供解消説は別の目的をもって流された模様だ。
現代建設を救うCEOを
「年間売上高6兆ウオン以上の会社を率いる人を求めます」――現代建設債権団は、出資転換を推進中の現代建設のCEO(最高経営責任者)を公開募集していている。巨大財閥企業のトップを一般公募するのは極めて異例のこと。
21日まで候補者を受け付けた後、外換銀行、産業銀行、ハンビット銀行、朝興銀行、ソウル保証保険の債権金融機関代表と経営革新委員長で構成される「現代建設CEO候補選任委員会」で最終候補者を選び、5月18日に臨時総会を開き選出する予定だ。
もっとも誰でもが応募できるというものではない。志願資格は、①建設業の経営に専門的な識見と経綸を備え②強力な指導力をもち③改革性向が強く④工事受注能力があり⑤透明性を保証できる――という5項目の厳しい条件付きだ。
債権団関係者は、「不実経営の責任を問い、現代表を退陣させ一般公募及び建設関連機関の推薦を受けて能力がある新CEOを選ぶ計画だ」と明らかにしている。
候補に挙がっているのは、現代建設社長を経験したことのある沈鉉栄・現代エンジニアリングプラスチック社長、金正国・文化日報社長、李・現代情報通信会長ら。一方、CFO(財務担当最高責任者)候補には、19日で任期満了した梁萬基・輸出入銀行長の名前があがっている。