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2001/03/02

<総合>ユーラシア鉄道実現へ動き出す

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 南北縦断鉄道とシベリア横断鉄道を連結する夢のシルクロード鉄道が、実現へ向け動き出した。金大中大統領とロシアのプーチン大統領が27日の韓ロ首脳会談でこの連結事業に取り組むことに合意したことで、今後両国間で具体的な協議が進められることになった。この連結事業には北朝鮮の協力も不可欠であり、中国、モンゴルも参加する国際的なプロジェクトとして推進される見通しだ。

 韓ロは、首脳会談の合意を受けて建設交通部とロシア鉄道部の間で南北縦断鉄道とシベリア横断鉄道の連結事業をどうすすめるか、具体的に協議していく方針だ。すでに長・次官クラスの協議会を設置するなどの案も出ており、資金問題や今秋連結予定の京義線(ソウル―新義州)の進捗状況もにらみながら、決定することになりそうだ。

 特に、この連結事業に対して、韓ロ首脳は他の国家が参加することに期待を表明し、中国の満州横断鉄道、モンゴルのモンゴル横断鉄道との連結問題が検討されている。すでに建設交通部は、南北縦断鉄道とシベリア横断鉄道を結ぶ路線以外に4つの連結案をまとめ、その場合の釜山からモスクワまでの距離、所要時間などを比較検討した。4案のうち、京釜線(ソウル)、京元線(ソウル―元山)とシベリア横断鉄道を結ぶ路線が最も長く1万521㌔に達する。世界でも最長クラスの鉄道路線だ。

 金大中大統領は、早くから「鉄のシルクロード」構想を打ち出し、京義線復元に取り組んできた。アジアと欧州を結ぶことで、海上輸送に比べかかる日数12日程度に半減できる。特に、これが実現すれば韓半島平和を多国間でサポートする基盤にもなり、北朝鮮の改革・開放にも大きな影響を及ぼすなど、その意義は大きい。

 プーチン大統領も認識を同じくしており、この事業推進の一環として「北朝鮮内の鉄道の改修などに数億㌦の投資をする用意がある」と明らかにしている。ただし、南北間を結ぶ鉄道のうち、中国方面に向かう京義線でなく、まだ南北連結が具体化していない京元線との連結の方に関心があるといわれている。

 一方、北朝鮮もシベリア横断鉄道との連結は好意的とみられ、プーチン大統領は「昨年7月に訪朝した際、金正日総書記は前向きな姿勢を見せた」と明らかにした。

 ユーラシア鉄道の実現にはまだ時間がかかりそうだが、韓半島の緊張を解き、東西交流を促進する夢のあるプロジェクトであるのは間違いない。