韓国と中国が国交樹立して10年。この間に韓中両国の貿易高は5倍に増えるなど経済的な結びつきは加速度的に強まっている。中国製ニンニク輸入規制問題など摩擦も生じたが、台湾、香港など華僑圏を含めると韓中は最大の貿易取引関係になっている。貿易だけでなく対中投資も急増、米国を抜き韓国にとって最大の投資先になっており、韓国企業の対中進出は過熱する一方だ。13億の人口をかかえる中国経済は今後さらに巨大化する見込みであり、韓中の経済的紐帯は一層強まりそうだ。
金大中大統領と江沢民国家主席は、24日の韓中修好10周年に際して親書を交換、両国間の協力関係を一層発展させていくことを確認した。今後10年は経済以外に政治、軍事、文化、スポーツなど多様な分野で交流を活発していく見通しだ。
この10年間を振り返ると、経済的交流・協力が最大の進展をみせた。1992年の修好当時64億㌦だった両国間貿易は昨年に315億㌦に達し、5倍増となった。この間の韓国の貿易増大は2倍であるから、対中貿易がどれだけ急速に増大していったかが分かる。この結果、韓国の総輸出に占める対中輸出の比率は12・3%に高まり日本に匹敵する輸出市場に浮上した。対中貿易黒字も米国に次ぐ49億㌦を記録している。今年に入っても韓中貿易は1-6月で179億㌦に達し、年間では400億㌦近くに達する見込みだ。
投資も貿易に劣らず急カーブを描いている修好以降の対中投資残高は昨年末で50億㌦に達し、実に26倍の伸びだ。IMF危機以降、落ち込んでいたが昨年から回復、今年上半期では3億㌦を突破、年間では7億㌦に達する見込みだ。
このような貿易・投資の活発化で、人的往来も増え、昨年は韓国から中国に130万人、中国から韓国に50万人が訪れており、今年は往復200万人を突破する見通しだ。
企業の対中投資件数は6000件を突破しており、中国に2以上の工場や販売所をもつ企業も増えている。中国での韓国製品の認知度も高まり、携帯電話、家電製品、自動車、衣類、食品(チョコパイ、ロッテガム、辛ラーメン)などは相当に人気があるという。
だが、問題がないわけではない。中国経済の競争力の高まりにより、産業構造面で韓国産業の空洞化を憂慮する声がある。実際に米国市場や日本市場ではすでに中国製品にシェアを奪われるケースが出ている。また、中国産品の輸入増大でニンニクにみられるような貿易摩擦の激化も予想される。これらへの対応が急がれるが、これを契機にあらゆる産業の高付加価値を加速化して乗り越えるべきだという指摘がなされている。また、中国が必要とする部品・素材を提供できる産業の足腰を強める契機になるとの見方もある。中国経済の浮上は韓国が先進国に行く促進剤の役割を果たすという楽観論だ。
なお、10周年を契機に中国のメディアは相次いで特集を企画する関心振りを示したが、中国最大のインターネット網である「シナ」の世論調査によると、過去10年間で中国人が最も韓国に関して注目したニュースは金泳三政権時に実施した金融実名制、IMF危機乗り切りのための金供出運動、サッカーW杯でみせた「赤い悪魔」の応援などをあげた。